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当院でスポーツ用のオーダーメードインソールを作製できます

 


 以前、インソール(足底板)の効果を当院職員が実際に装着して体感する取り組みを行いました。


 今回は、両扁平足にてスポーツ(スキー)時に足底部の痙攣が起きてしまうというAさん(全日本スキー連盟準指導員資格保持者)に対して、症状の軽減と運動パフォーマンスの向上を目的にスポーツ用のオーダーメードインソールを作製しましたので、当院でインソールを作製する際の手順と合わせて紹介をさせていただきます。

 まずは、スポーツにおけるオーダーメードインソールの効果についてお話をします。


 オーダーメードインソールは既成品のインソールよりも、個々の足裏にフィットさせられるため、運動中、靴内における足部のポジションが安定します。これにより足の無駄な動きが減少し、発揮した力をダイレクトに地面や床へ伝達させることが可能になります。

 また、インソールと足裏の接地面積が拡大することで足裏に伝わる情報量が格段に増加し、力の加減や運動の方向付けといった調整が繊細に行えるようになります。

さらに、クッション性の高い素材を選択した場合、地面や床からの反力による衝撃が吸収・分散され、膝や腰などへの負担を軽減させることが可能になります。


 なお、上記のインソールの効果を正しく引き出すためには、靴が足のサイズにしっかりと合っていることが大前提となります。


 大古場らの研究チームが、足部は緩衝や荷重分散などの力学的機能を持つ運動器としての役割と接地面情報を中枢に伝達する役割を持つ感覚器としての機能を備えており、インソールが足部の運動器・感覚器としての役割をサポートすることで、いかに対象者が環境や課題に対して適応的な身体機能を作り出して動作できるかが重要である(大古場良太,長谷川正哉・他:知覚入力型インソールの使用が歩行時の足部動態に及ぼす影響.理学療法学,2018,33(2):343‐346.)と提唱しており、最近では従来の足裏の固定要素が強い受動的なものよりも、いわゆる、動ける(足部の運動器・感覚器としての機能を最大限に引き出せる)要素を多く取り入れた能動的なインソールに注目が集まっています。


 今後はスポーツ時に発生する痛みなどの症状を軽減したり、身体の故障を防いだりといった医学的な効果に加え、足部の運動器・感覚器としての機能を最大限に引き出しつつ、パフォーマンスの向上や成績アップにつながるインソールがますます求められるようになると思います。

 続いて、当院におけるスポーツ用のオーダーメードインソールを作製する際の手順を説明します。


 最初に足や膝の痛みの原因となる疾患(変形性関節症、扁平足、外反母趾、足底腱膜炎、シンスプリント、足や足趾の変形、様々なスポーツ障害など)の有無や程度を確認するために、診察を受けていただきます。


 そこで、インソール作製の処方(この場合、医療保険制度の適用対象となります)が出されますと、義肢装具士により対象の方の身体状況(足の形や体格、症状)、競技レベルや種目特有の動きなどを評価し、綿密に打ち合わせをしながら足型を採型します。1週間程度でインソールが出来上がりますので、実際にスポーツで使用していただきます。後日、使用時の感想や反応を確認させていただき、必要な調整や変更を加えて、最終的なオーダーメードインソールが完成します。

このようにして完成したインソールを実際にAさんに使用していただき、その感想を伺いましたので以下に紹介します。


 『最終型は、やはり完成度が高いという感覚をはじめに受けました。全体的なホールド感とクッション性、土踏まずと足裏中央部のサポートを感じることができます。

表面素材の適度な「ずれ」も自分に合っていると感じます。

※※のインソールも足型を取って作ったものなので当然フィット感はあるのですが、比べてみると硬いイメージを受けます。

荷重時に※※は「フィット感」止まりであるのに対し、最終型は「プラスαサポート」があると言ったら良いのでしょうか。そんな感覚です。

~中略~

また、今まで意識したことが無かった「足裏感覚」を気づかせてもらいました。

今後、夏場から来シーズンに向けて調子を上げていければと思っています。』

 ※※は某インソール販売会社名、中略以外は原文のままを引用


 今回、両扁平足と診断されたAさんの足型や体型、技術レベルに合わせて足底部の痙攣症状を抑えつつ、スキー滑走時のパフォーマンス向上を目的に、素材の厚みや硬さ、表面材の質から足部アーチを支えるパッドの大きさや位置に至るまで、細部にこだわったオーダーメードインソールを作製しました。


 Aさんに以前使用されていたものと今回作製したインソールを比較していただいたところ、全体的なホールド感とクッション性、土踏まずと足裏中央部のサポート感について、良い評価をいただくことができました。


 また、最終判定においても両扁平足(踵骨角度)に改善がみられ、足底部の痙攣症状も消失した上、新たに繊細な足裏感覚も獲得することができました。


 Aさんのようにスポーツをされていて様々な症状で悩んでいる方、現在使用しているインソールに満足できない方は、是非、当院のオーダーメードインソールを試してみてはいかがでしょうか。



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