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最近、膝の痛みに悩まされていませんか?

 皆さんは最近、膝の痛みに悩まされていませんか。

 膝の痛みのせいで立ったり歩いたり、階段の昇り降りに支障は出ていませんか。


 膝は加齢や肥満、過度な労働やスポーツによって使い過ぎの状態になると、半月板が傷つき、軟骨が徐々に磨耗していきます。また、負担のかかり過ぎにより何度も炎症を繰り返してしまうと、関節を支える太ももの筋力が低下し、関節周囲の靱帯や筋腱なども硬くなってしまうので、日常の動きがますますつらくなります。


 そこで今回は、“膝に痛みがあるけれど病院にかかるまでもないかな…”と感じていらっしゃる方々の中でも、特に太ももの筋力が低下して膝の関節周囲が硬くなっている方に焦点を当てて、膝の痛みの特徴とセルフケアの方法をご紹介したいと思います。


 まず、膝の状態を判断するのに重要なのは、痛みがでるタイミングと場所を確認することです。安静にしているときの痛みなのか、動いたときにでる痛みなのかを思い返してみてください。


 もし安静にしているときの痛みで、膝全体が腫れて熱をもっているようであれば、関節の中や周囲の組織の炎症が疑われます。また、膝を曲げ伸ばししたときに関節の中で、何かが引っかかるような鋭い痛みがでる場合は、半月板や軟骨などが損傷している可能性がありますので、直ちに医療機関を受診されることをおすすめします。


 一方、立ち座りや歩き始め、階段昇降などの動いたときに膝全体、あるいは膝のお皿まわりに重苦しい痛みが出る場合、膝を支える太ももの筋力低下や関節周囲の靱帯や筋腱などの軟部組織が硬くなっていることが痛みの原因となっているかもしれません。


改めて、膝の痛みの原因を大きく4つに分けて、それぞれの特徴を説明していきます。


(1)膝関節の腫れによるもの

関節内にいわゆる水が溜まった状態で、関節液の増加や組織の炎症があることで痛みが発生します。


(2)O脚・X脚など関節自体の変形によるもの

本来の関節の形が崩れてしまっているため、荷重時の負担が一部に集中してしまい、半月板や軟骨、関節周囲の組織にもストレスが加わって痛みが継続します。


(3)大腿四頭筋を中心とした太ももの筋肉の筋力低下によるもの

膝を安定させる役割を持つ太ももの筋力が低下していると、関節内にかかる圧力が分散されずに一部の組織に集中してしまうことで痛みが発生します。


(4)膝関節の可動域制限によるもの

膝関節を構成する大腿骨・脛骨・膝蓋骨をつなぐ靱帯や筋、腱、滑膜、関節包、脂肪体といった軟部組織の硬化が進行して可動域に制限がでてしまうと、その可動範囲を超えようとする力が加わるたびに痛みが発生します。


 上記の(1),(2)にあたる場合は、できるだけ早く医療機関を受診して医師に相談をしてください。一方(3),(4)にあたる場合は、正しくセルフケアを行うことで痛みを軽減させられる場合があります。


 ここからは(3),(4)に痛みの原因があると考えられる方におすすめするセルフケアの方法をご紹介していきますので、膝の痛みがでない範囲で週3回以上、3ヶ月程度を目安に行ってみてください。


<大腿四頭筋を中心とした膝を支える筋肉の筋力低下に対するセルフケア>

 まずは、痛みのある方の太ももが反対側と比べて明らかに細くなっていないか確認してみましょう。特に膝上で太ももの内側部分の筋肉が落ちてしまっている場合は、以下の方法でしっかりと膝を安定させられるように筋肉を鍛え直すことで、痛みを軽減させることができます。

・イスに座った姿勢で片膝をのばして10秒キープ(5~10セット)

・ 立った姿勢で半分くらいしゃがんだところからゆっくりと伸び上がる:ハーフスクワット(5~10セット)

・膝を軽く曲げて腰を少し落とした姿勢で一歩一歩踏みしめるように10m歩く(5~10セット)


<膝関節の可動域制限に対するセルフケア>

 座った姿勢や立った姿勢で、膝をまっすぐに伸ばしきることができますか。また、力を抜いた状態で両手を使って膝のお皿を柔らかく動かすことができますか。

もし、膝をまっすぐに伸ばしきれない場合や膝のお皿の動きが硬い場合は、以下の方法で関節周囲の柔軟性を取り戻すことで、膝の痛みを軽減させることができます。

・太ももの裏側とふくらはぎの筋肉を両手で柔らかくなるようにほぐす

・膝のお皿が上下左右と滑らかに動くように、両手で柔らかくほぐす

・脚を伸ばして座った姿勢から膝に力を入れながらつま先を反らせて10秒キープ(5~10セット)


 以上のセルフケアを行っても、膝の痛みや症状に変化がみられない場合は、できるだけ早く医療機関を受診して医師に相談をしてください。


最後に、厚生労働省のホームページにも「変形性ひざ関節症の人を対象にした運動プログラム」の中で、「ひざを支える筋肉をきたえる運動」や「ひざの動きをよくする運動」がイラストとともに掲載されていますので、是非こちらも参考にしてみてください。


<参考文献>

日本整形外科学会:変形性ひざ関節症の運動療法

<引用サイト>

厚生労働省:変形性ひざ関節症の人を対象にした運動プログラム




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