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 適度な運動は体に良く、足腰を鍛えることによって体力の維持につながることは広く知られていることですが、今回は運動が精神的にもプラスに働きかけることをお伝えしたいと思います。


 朝に体操やウォーキングなどを取り入れ、気分良く一日過ごす方もいれば、仕事後に運動を取り入れ、疲れを癒す方もいると思います。どちらにしても運動が気分転換になることは間違いありません。 


「運動不足だと…」

① 体の姿勢を維持する筋力が衰え、姿勢が悪くなります。そのため、脳への血流が悪く

   なり、頭痛が起きやすくなり、思考の幅が狭くなって心の病に近づいたりすることも

あります。


② 運動不足で血流が悪くなると疲労物質がたまり疲労感を感じやすくなり、消極的な考

えになり、落ち込みやすくなることもあります。


③ 生活の中で頭ばかり使い、頭は疲れているけど、体は疲れていないことが起こりま

す。そのような状態では、眠りが浅くなったり、眠れなくなったりします。


「適度な運動をすると」

① 運動により脳の血流がよくなるので、脳が活性化されます。またセロトニンなどの神

経伝達物質が脳内に増える事で、心に安らぎをもたらします。


② 日常とは異なるしげきにより、気分転換につながります。運動に集中することによ

り、一時的に嫌な考えや気持ちを忘れることが出来ます。


③ 運動を続けると満足感や達成感が得られます。それが自信につながり、気持ちが明る く前向きになることが期待できます。


「有酸素運動を習慣に!」

 有酸素運動には水泳やサイクリングなどありますが、まずは特殊な道具や場所を使わず、一人で手軽に出来るランニングを始めてみませんか? 

 

 ランニングは脂肪燃焼にも有効なので、溜まってしまった内臓脂肪や皮下脂肪を燃焼し、血中の悪玉コレステロールを減少させる効果が期待出来ます。エネルギー源として体脂肪を利用するようになるのは、運動開始後20分程度経過してからと言われています。ちょうど体も温まり、軽く汗が出るころです。最初から無理せず、慣れてきたら距離や時間を延ばしてみて下さい。血圧は、一般的に走るスピードが速くなると上昇します。高血圧の方は最初からスピードを上げすぎず、ゆっくり、長い時間走ることが望ましいと考えられています。


「継続が大事です!」

 運動不足が続くと多少の運動でも疲れますが、適度な運動を続けていると血液の流れや疲労に体が慣れ、日常生活でも疲れにくい体になります。


 ランニングのような全身運動は続けると疲労物質や老廃物が排出され、結果的に疲労回復すると考えられています。


 最初から無理をしてしまうと苦痛になるため、5分走ったら5分歩くなど自分自身の体と相談しながら距離やペースを考え、少しずつ増やしてみて下さい。




 

 頚肩腕症候群とは、頭~頚、肩甲骨、腕にかけて痛みや痺れを主訴とする疾患群の包括的な診断名として1955年に提唱されたものです。


 広義の一時的な診断名としているため、より具体的な介入方法を決定するためには、各種検査により原因が明確となった時点で本症候群を除外し、原因疾患名自体を診断名として用いるという考え方が一般となっています。


 MRIやエコーなど検査技術の向上により、断定できない本症候群は減少傾向にあります。しかし、頚肩腕部の痛みや痺れ、こりを主訴として来院し、本症候群に当てはまる方は少なくありません。


 また頭頸部は、骨や筋からなる狭い隙間を重要な血管や神経が通過しています。このため、局所的な異常が肩甲骨や腕にかけて影響を及ぼし、症状や障害が広範囲へ広がりやすい特徴があります。このような方は医療機関を受診するまでの期間が長く、様々な二次的障害が生じます。これらによる悪循環が病態を複雑化させて症状改善に長期間を要することが多いです。そのため、より早期から治療的な介入を開始し、二次的障害を最小限にとどめることが重要になります。

 

 頚肩腕部の痛みや痺れ、こりを主訴としている原因の一つに筋肉性疼痛と呼ばれる局所的慢性疲労症状があります。これらは日常生活や職業における不良姿勢や同一姿勢の保持、単純動作の反復、不適切な動作環境などが考えられます。また、本症候群に見られやすい頭部前方姿勢(猫背)は頚周りの筋肉に持続的な緊張状態が生じ、筋肉の循環不良による疲労や発痛物質の蓄積が生じやすい環境になります。

 

 頭部前方姿勢の方は、頭頸部の筋力低下が起こりやすく、頭部前方姿勢を効率的に修正することが困難になりやすいです。このような不良姿勢が慢性化すると症状が複雑化し治療が長引いてしまう場合があります。


 今回は頚肩腕症候群の慢性化予防や筋力強化に有効なセルフケアをご紹介します。


●頭頸部の筋力トレーニング

 ①仰向けに寝て、頭の高さは肩と同じくらいなるようタオルを引いて調節します。その後 

  あごを引いて天井を見ます。


 ②頭の後ろ全体でタオルを押し付けるように力を入れます。このとき、首の前側や胸周り

  の力が入らないように手で触って確認します。また上下の歯は接触しないように口を閉

  じて行います。


 ③上記②を10秒間10回行います。1日2~3セットを目安にすると効果的です。

 

●頭頸部周囲筋の緊張を和らげる運動

 ①仰向けに寝て、頭の高さは肩と同じくらいになるようタオルを引いて調節します。そ

  の後あごを引いて天井を見ます。

  

 ②上下左右にゆっくりとリラックスした状態で首を動かします。痛みが出ない範囲で小

  さく動かし、慣れてきた段階で徐々に大きくゆっくり動かしていきます。

  

 ③上記②を10回ずつ行います。1日2~3セットを目安にすると効果的です。


 運動は痛みがない程度に無理せず行いましょう。回数やセット数は自分の状態に合わせて増減させて調整してください。違和感や痛みが強い場合などは早めの受診をお勧めします。


 最後に健康的な生活を過ごすには体のメンテナンスは欠かせません。お体に違和感がある場合は我慢せずお近くの医療機関を受診し、できる限り早めの対策を行うように心がけましょう。



引用文献

 協同医書出版社 理学療法ハンドブック第三巻 






 首から肩、腰から足の筋肉に突然の激痛!

もしかしたら「リウマチ性多発筋痛症」かも。まずは知ることで備えて!!


 激しいスポーツのあとや、急に運動した翌日などに「筋肉痛」が起こることがあります。今回は、まずどうやって筋肉ができるのか、そして、筋肉痛はなぜ起こるのか、を説明します。


 筋肉は「筋線維」という細い線維が集まってできています。運動で負担がかかると、筋線維が部分的に切れますが、体には自ら直そうという仕組みが備わっています。炎症を抑えたり、筋肉を活性化したりするサイトカインというたんぱく質が、切れた部分の細胞から出て筋線維を補修します。補修する時には、元の筋肉より太く強くしようという働きがあるため、筋肉が増えたようになります。これを「超回復」と呼びます。


 運動しすぎた時に起こる筋肉痛は、以前は疲れを感じさせる物質である乳酸によるものとされていましたが、最近では、切れた筋線維が炎症を起こすための痛みが原因であることが分かってきました。


 運動不足だと、筋肉は疲労がたまりやすく、硬くなりやすくなり、硬くなった筋肉を無理に使おうとするため、筋肉痛が起きやすくなる上に、けがもしやすくなってしまいます。だから、年齢にかかわらず日ごろから“筋トレ”を続けることは、とても重要なのです。特に高齢者の方は、動かなくなると筋力が低下しやすいです。加齢による虚弱化(フレイル)を防ぐためにも、自宅で簡単にできるストレッチや下半身を鍛えるスクワットなど、自宅でもできる簡単な筋トレ・体操を少しずつでも続けることが大切です。


 さて、ここから本題です。前日に運動をしたり重いものを運んだりした自覚がないのに、首から肩、腰から足(太もも)の筋肉に急な激しい痛みを感じる。ある朝突然、筋肉痛のような強い痛みやこわばりを感じ、布団から起き上がれない。そんな症状が出ている人は、もしかしたら「リウマチ性多発筋痛症(PMR)」かもしれません。


 原因不明の筋肉の痛みで寝返りや歩行が困難になり、ほとんど自分では動けないといった症状が重い状態、深刻なケースもあります。


 リウマチ性多発筋痛症は、免疫が自分自身の体を攻撃することで起きる膠原病と呼ばれる病気の一つで、まだはっきりとした原因が明らかになっていない慢性炎症性疾患です。高齢の方、特に65歳以上の女性に多くみられる病気で、首や肩、腰から足(太もも)の筋肉痛が代表的な症状です。「急に」「ある日突然」起こるのが大きな特徴です。痛みの程度は個人差があり、我慢できる範囲の痛みという人もいれば、激痛で日常生活に支障を来していたり、中にはほぼ寝たきり状態になってしまっていた例もあります。筋肉痛のほか、発熱や全身の倦怠感など、かぜに似た症状を伴うことが多いです。


 リウマチという名前は付いていますが、関節リウマチとは別の病気です。朝のこわばりや発熱、倦怠感など症状は似ているところもありますが、痛む場所が関節リウマチでは“関節”であるのに対して、リウマチ性多発筋痛症では“筋肉”です。


 リウマチ性疾患(筋肉や関節などの運動器や結合組織に主病変を持つ病気)は、100を超えるほど多数ありますが、その中で高齢者に頻度の高い病気として忘れてはならないのがリウマチ性多発筋痛症です。一般的には聞き慣れない病名かもしれませんが、決してまれな病気ではありません。実際は日常診療でしばしば遭遇し、高齢者の痛みをきたす疾患として重要です。


 ただし、この病気は関節リウマチやほかの膠原病、炎症性疾患などと共通する症状が多く、また、診断を確定する特有の検査がないため、過去に一度も症例を経験していない医師(一般の臨床医)にとっては鑑別が難しいかもしれません。リウマチ性多発筋痛症であることに気付かれずに、関節リウマチや神経痛という病名や“原因不明の痛み”として放置されているケースも考えられます。膠原病やリウマチ性疾患に詳しい整形外科医、リウマチ医であれば、この病気を見落とす可能性は低く、的確に診断してくれると思います。


 診察では、症状の聞き取り(問診)や血液検査、各種画像検査などを合わせ、総合的に診断していくことになります。急な、ある日突然の痛みやこわばりであることや、血液検査で膠原病や関節リウマチでみられる<抗核抗体>や<リウマトイド因子>、<抗CCP抗体>が陰性であることが診断の有力な決め手になります。


 また、例えば首から肩にかけての痛みであれば、腱板断裂などほかの整形外科疾患によるものなのかを確認して区別するため、超音波(エコー)検査やMRI検査など画像検査を行います。


 治療は、ステロイド剤の内服が中心で非常に良く効きます。多くの場合、1〜3日以内に効果がみられます。症状が安定したらステロイドを減量していきますが、完全に中止できる人と、症状が持続するためステロイドを継続せざるを得ない人がいます。また、減量中に再燃することもあるため、痛みが軽快していても自分自身で勝手な減量・中止は禁物です。


 ステロイドは長期間内服すると、糖尿病や高血圧症、骨粗しょう症といった副作用のリスクがあります。薬の副作用をマネジメントしながら、リスクを許容できる範囲で安全に使っていきます。


 割合は高くありませんが、ステロイド減量が困難な難治性の患者さんに対し、関節リウマチの治療に使用する生物学的製剤を考慮することもあります。


 突然の筋肉の痛みやこわばりに、自宅で悶々と苦しんでいて、治らない病気だとあきらめていた患者さんが、専門的な診断でこの病気だと判明し、ステロイドの内服など適切な治療で症状が劇的に改善し、その後も日常生活を支障なく送っている方をたくさんみてきています。「リウマチ性多発筋痛症」もそうですが、どんな痛みもその原因となる病気を特定して、できるだけ早く適切な治療を始めることが大切です。筋肉や関節の痛みや違和感は、我慢したり、年のせいとあきらめたりせず、すぐに整形外科で診察を受けるようにしてください。