捻挫とは、外力がかかることにより関節を支えている靭帯や関節包などの軟部組織、軟骨が損傷することです。さらに重症なのが剥離骨折で、頻度の多い足関節で例えるならば、足関節を内側に捻る事により、外くるぶしの付近にある外側靭帯のうち、前距腓靭帯が引き伸ばされ、靱帯付着部の骨が剥がれることです。
当院を受診する患者さんで多いきっかけとしては、スポーツ活動(バスケやサッカーなど)中の激しいぶつかり合いや急な方向転換、着地動作またスポーツ以外でも階段の昇り降りや転倒と様々です。損傷部位は、足関節や手関節、肩関節、膝関節など、全身のあらゆる関節部位で起こります。
成長期の子供は骨端線と呼ばれる成長軟骨部分が、まだ完全に骨化していないため発症の確率が高いと言われています。また、高齢者でも骨密度の低下により比較的軽い力でも発症します。
自覚症状として、患部の腫れと痛みです。その他、皮下や関節内の出血、熱感、関節のぐらつき(不安定性)、可動域の制限などが見られることもあります。
受傷した際は、すみやかにRICE(ライス)と呼ばれる応急処置を行い、病院受診をし適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
【RICEとは…】
Rest:安静
痛めた部位を動かさず、体重をかけないこと
※無理に動かすと出血や損傷が広がる可能性があります。
Ice:冷却
氷のうや保冷剤・アイスノンをタオル越しに当て、1回 15~20 分を目安に、間隔をあけて繰り返し冷やします。
※凍傷に注意してください。
Compression:圧迫
弾性包帯などで、ややきつめに巻き、腫れを抑えます。
※圧迫しすぎは、神経障害が出るので、しびれや変色が出たら少し緩めてください。
Elevation:挙上
患部を心臓より高い位置にあげるようにします。
※血流を抑え、腫れや内出血の増加を防ぎます。
受傷直後から 72 時間は、上記を行うことで、回復を早められると言われています。しかし、腫れや痛みが強い間は継続することが大切です。
【検査・診断】
問診時は、受傷時の状態(例えば、どのような方向の外力を受けたか?ジャンプの着地や階段の昇降で捻ったのか?どちらの方向に動いたか?など)を詳しく伝えてください。
診察では、医師による触診や患部を押したり、関節に力を加えたりする徒手テストを行なった上で、レントゲンや MRI 検査を行います。
【治療】
関節の安定・安静を保ったり、骨癒合の促進のためシーネ固定を 1~3 週間行い、その後サポーターへ変更する保存療法がほとんどです。しかし、骨片の転位が大きかったり、関節の安定性に影響がある場合は手術が必要になるため、他院を紹介することもあります。
完治には、2~6 か月かかります。再発のリスクを考えて、スポーツ復帰などの時期は自己判断せず、医師と相談しながら無理なく慎重にすすめることが大切です。完治後も、運動時の痛みや不安定性が自覚としてあらわれることもゼロではありません。ストレッチや筋力トレーニングを適切に行いましょう。



