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○保険証確認について‥

 医療費のうち、患者さんが医療機関に支払うのは負担割合に応じた一部であり、残りは医療機関が保険証の発行元に請求します。保険証の番号や負担割合の変更を見逃すことによる誤請求をなくすため、医療機関は毎月保険証を確認するよう法令で義務付けられています。

 

 ※就職・退職・転居などがあった場合、保険証が変更になります。

  また、職場が変わらなくても、番号が一部変更になることもあります。


 また、保険証をお忘れの場合、または保険の変更手続き等により保険証が手元にない場合は、当日の診療費を一旦 10 割負担にてお支払いただきます。


 受診日の同月内であれば、当院へ保険証と領収書をお持ち頂いた時点で自己負担分を除いた差額をお返しいたします。


 翌月以降になりますと当院での返金はできかねます。健康保険の保険者へ領収書と診療明細書を提出して払い戻しの申請を行ってください。


 保険の変更や手続き中、保険証が発行されるまでの間に医療機関を受診する必要が

  ある時には、会社や区役所に申請を行えば、保険証の代わりとして「被保険者資格

  証明書」を発行してもらえます。



○マイナ保険証について‥

 皆様ご存じかと思いますが、2021 年 10 月 20 日よりマイナンバーカードの保険証利用が始まりました。これにより、マイナンバーカードが保険証としても利用できるようになりました。


【メリット】

・マイナンバーカードと健康保険証を2枚持ち歩かずに済む

・医療機関の受付が顔認証によって自動化される

・転職、結婚、引っ越しをしても切り替えの手続きが不要

・医療費の情報がマイナポータルに蓄積されるため、確定申告で医療費控除を

申告する際の領収書の整理が不要になる

・高額療養費制度の限度額を超える場合、限度額適用認定証がなくても医療費が

 免除される


 加えて、2022 年 10 月以降より紙の保険証よりもマイナ保険証を利用したほうが

  医療費は安くなりました。


 マイナ保険証を利用した場合、診療報酬の加算額は初診時 6 円、再診時なし、調剤薬局の利用は 6 ヶ月ごとに 3 円に設定されています。


 その一方で、紙の保険証を利用した場合、初診時 12 円、再診時なし、調剤薬局の利用は 6 ヶ月ごとに 3 円の診療報酬が加算されます。


★ 当院でも、2023 年 4 月 1 日よりマイナンバーカードが保険証の代わりとして利用できるようになります。4 月 1 日~ 既にお持ちの方は、マイナ保険証での受診を宜しくお願い致します。






 

 ある日、肩に眠れないほどの激痛が走り、腕が上がらなくなる──。

 

 肩が痛む病気には、以前コラムでも取り上げた「四十肩・五十肩」や「腱板断裂」以外にもうひとつ、40〜50代の女性に多い「石灰沈着性腱板炎」があります。

 

 石灰沈着性腱板炎の痛みは激烈で、黙っていてもズキズキと痛み、手がまったく上がらなくなることもしばしばあります。


 肩の関節あたりの小さな筋肉の集まりを「腱板」といいます。ここに石灰(リン酸カルシウム)が沈着し、それが原因で炎症が起き、肩が痛くなったり関節が動かせなくなったりする病気が、石灰沈着性腱板炎です。


 大きく分けると、急に激痛が起きる<急性型>と、なんとなく肩が痛い状態が続く<慢性型>があります。

 

 急性型では、突然、前触れもなく肩に耐え難い激痛が生じます。腱板内に沈着した石灰を免疫細胞が異物と判断し、排除しようと大量の化学物質を発生させて炎症を起こすためです。

 

 一方、慢性型では、石灰沈着部が盛り上がり、腕の上げ下げの時に肩甲骨の骨や靭帯に引っかかるような痛みを生じ、軽度の炎症により鈍い痛みが持続します。


 急性型と慢性型の中間で、慢性的な鈍痛の合間に軽度の発作性の疼痛を生じる

<亜急性型>もあります。


 この石灰は、当初は濃厚な液体状ですが、時間が経つにつれて硬くなっていきます。石灰がたまって膨らんでくると痛みが増しますが、なぜ腱板に沈着するかは、はっきりと分かっていません。一説では、肩を使うことで腱板に傷がつき、修復する過程で腱板に石灰が付着するのではないかと考えられています。骨密度とは関係ありません。


 中年以降の人にみられる四十肩・五十肩の症状に似ていますが、レントゲンを撮れば石灰がたまっているか分かります。肩甲骨(肩峰・肩の屋根の骨)の下に、白い塊として映ります。


 肩のどの部分が、どんな時に、どのように痛むのか、痛む状況を問診で聞き取り、肩がどのくらい動くのか可動域をチェックし、レントゲンのほか、エコー(超音波)やMRIなどの画像検査で、腱板断裂など他の肩の病気の可能性を排除したうえで、石灰沈着性腱板炎と確定診断します。


 治療は、痛みと炎症を取り除くため、消炎鎮痛剤を飲んだり湿布を貼ったりします。通常1週間ほどでだいぶよくなります。痛みがひどい場合は、肩峰下滑液包(腱板の上にある袋)にステロイド剤や局所麻酔薬を注射します。


 炎症がおさまれば、石灰が残っていても症状はやわらぎます。石灰は徐々に血液中に吸収され、数カ月も経てば小さくなったりなくなったりすることも多いです。肩の動きが悪くなれば、痛みが落ち着いてからリハビリを行います。


 ほとんどの患者さんは、このような外来での治療でよくなります。激しい痛みのため、治らないのではないかと心配される患者さんも多いのですが、加齢に伴い誰でもかかる可能性のある病気で、適切な治療の継続で、その症状は軽快、治癒する病気なので、必要以上に恐れることはありません。


 急性の場合、再発は多くないですが、慢性だと再発することもあります。痛みはないか、肩はしっかりと動くかを確認し、きちんと治療することが大切です。


 まれなケースですが、飲み薬や貼り薬、注射、リハビリなどの外来治療を2〜3カ月間行っても痛みが消えず、日常生活に支障がある場合には、内視鏡で腱板に沈着した石灰を切除するなどの手術が必要になります。


 荷物を持つ、服を脱ぎ着する、料理をする…生活に欠かせない動作の起点となる肩は、体の中で最も可動範囲の広い関節です。肩に痛みや不自由を感じると、生活の質の低下に直結します。また、肩の痛みは「年のせい」や「四十肩・五十肩」と自己判断で決めつけ、放っておいたり、中には整体・カイロプラクティックなどで不適切な施術を受けて、悪化させてしまう人もいます。


 正確な診断ができるのは整形外科医だけです。肩の病気はさまざまで、それぞれに発症のメカニズムも対処法、治療法も違います。肩に痛みや違和感があったら、すぐにかかりつけの整形外科で診てもらい、何が原因かを突き止め、軽症のうちに治療を始めることが何よりも重要です。

 

 寒い季節になり、気温が下がってくると、「ヒートショック」という言葉を耳にするようになると思います。※1入浴中の事故数年間19,000人程といわれています。

 ※1(厚生労働省 入浴関連事故の実態把握及び予防策に関する研究について)


 今回は、ヒートショックの予防対策についてお話ししたいと思います。


■ヒートショック」とは■

 暖かい場所から寒い場所へ移動したときに、急激な温度変化によって血圧が大きく変化することが原因で起こる健康障害です。「高齢者の方がなりやすい」というイメージをもつ方も多いでしょう。年齢だけでなく病気や習慣なども、ヒートショックを引き起こす要因の一つとなり得るものです。


 ヒートショックは、急激な温度変化によって引き起こされるため、温度差が大きい場所ほど発生リスクが高まります。中でも、最もヒートショックが起こりやすいのは冬場の浴室です。


1.暖かいリビングから寒い脱衣所へ移動(血管収縮、血圧上昇)

2.寒い脱衣で衣服を脱ぎ、裸になって冷えた浴室に入る(さらに血圧が上昇)

3.浴槽でお湯に浸かる(血管拡張、血圧低下)

4.お風呂から上がり、再び寒い脱衣所へ入る(血管収縮、血圧上昇)


■ヒートショックを発症しやすい人■

・65歳以上の高齢者

・不整脈、高血圧、糖尿病、動脈硬化の持病がある

・狭心症や心筋梗塞、脳出血、脳梗塞などにかかった経歴がある

・浴室や脱衣所に暖房設備が設置されていない

・一番風呂や42℃以上熱めのお湯に浸かる習慣がある

・食後や飲酒後にお風呂に入る習慣がある


 高齢者はもちろん、血管に弾力性のある若者も食後・飲酒後にお風呂やサウナに入ってしまうとヒートショックになる可能性があるため注意しましょう。


■ヒートショックの症状■

 軽度の症状では「めまい」や「立ちくらみ」が起きます。症状が出たら、その場にゆっくりしゃがむか、可能であれば横になり、血圧の変動が落ち着くのを待ちましょう。

しかし、重度のヒートショックとなると、以下のような症状がみられます。

・意識の消失

・激しい頭痛

・吐き気、嘔吐

・激しい胸の痛み

・ろれつが回らない

・四肢の脱力感、麻痺


 このような重度の症状がみられる場合、脳内出血、脳梗塞、心筋梗塞が疑わしい症状が現れた場合は、すぐに家族や救急に助けを求める必要があります。迷わず119番に通報することをおすすめします。


■ヒートショックを防ぐための対策■

1.脱衣所やトイレに暖房器具の設置

2.入浴前にシャワーで浴室を暖める

3.入浴前後に水分をとる

4.入浴前後の食事・飲酒は避ける

  食後に入浴をする場合、30分以上の間を空ける。飲酒についても、晩酌をするなら

  入浴後1時間以上が経過してから飲み始めるのがポイント。

5.熱いお湯での入浴や長湯は避ける

 ※2お湯の温度は41℃以下で10分以内にお風呂から上がることを推奨しています。

                (厚生科学指定型指定研究 入浴関連事故研究班)

 また、お湯を低温にしても、長湯をすると心臓や血管に負担がかかるおそれがあります。

 

 これから寒くなり、お風呂に入る機会が多くなってくると思います。

ヒートショックは、日頃の対策でリスクを低減することができます。参考にしてみてください。

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