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 当院では、2023 年 4 月よりマイナンバーカードの保険証利用が可能となりました。


 マイナ保険証には皆様の健康保険証(社会保険や国民健康保険)のデータが紐付けされており、窓口に設置されている専用機器からカードを読み取り、ご本人確認していただくことで従来の保険証のようにご利用頂けます。


 ただし、各都道府県や自治体による医療費助成(子ども医療費助成・重度心身障がい者医療費助成・ひとり親家庭等医療費助成など)に関する情報は紐付けされておりませんので、マイナ保険証の他に従来の紙の保険証が必要となりますのでご注意ください。


 万が一お忘れになった場合は、保険負担割合に応じてお会計していただき、その領収書を役所にお持ちになりご自身で差額の返金のお手続きしていただくこととなりますのでご了承くださいませ。


また、マイナ保険証をお持ちでない方も従来の保険証で引き続き治療を受けることができますので窓口にご提出ください。


マイナ保険証に関する厚生労働省ホームページはこちら

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html


当院で使用しているマイナ保険証資格確認端末の使用方法動画はこちら

(キヤノン公式YouTube)

https://youtu.be/aDVVV5vBe8w








 整形外科領域において、X 線撮影は骨折の確認や形態異常を診るためにも必須な検査と言えます。より詳しく診るために同じ部位を様々な角度から何枚も撮影したり、経過観察のために数週間おきに撮影したりします。


 そのため、こんなに毎回たくさん撮って人体に影響はないのか、と被ばくを気にする患者さんの声も耳にすることもあります。そこで、今回は放射線による被ばくについてお話ししたいと思います。


〇 自然放射線と人工放射線

 普段の生活時において、地殻中や大気中に存在する放射性物質や遥か彼方の宇宙から降り注ぐ宇宙線など自然界からも放射線を浴びています(自然放射線)。

 これら自然放射線による被曝は世界平均で年間 2.4mSv (Sv : シーベルト、放射線の影響を評価する指標の単位)と言われており、日本の場合はそれよりも低いとされていますが、日常でこれらの被曝を気にしながら生活している人は多くはないと思います。


 一方、X 線検査や CT 検査など医療で用いられる放射線(人工放射線)による被曝は、医療の充実していることもあり、世界平均に比べて日本は高いと言われています。代表的な放射線を用いる検査の被曝量は、胸部単純 X 線検査 0.1mSv、腰椎単純 X 線検査 1.5mSv、CT 検査で 10mSv程度となっています。


〇 被曝による身体への影響

 被曝による影響は放射線防護上、確定的影響と確率的影響に分けられます。


 確定的影響とは、影響がではじめる最低線量値(しきい値)があり、その値を超えないと症状は出ません。しきい値を超えたからと必ず症状がでるわけではありませんが、被曝線量の増大とともに影響の出る確率も増大し、重篤化していきます。一時不妊、永久不妊、脱毛、皮膚障害、白内障、胎児への影響などがこれにあたります。


 確率的影響とは、しきい値がないと仮定されており、200mSv 以下の低線量では疫学的に被曝による影響を検出するのが困難なため明らかになっていませんが、高線量下では被曝線量の増大に比例して発生リスクが上昇することが分かっています。がん、白血病、遺伝性の影響などがこれにあたります。


 これらのことをみて、やっぱり放射線を使う検査は危険なのでは、と不安になるかもしれませんが、確定的影響の中でも最もしきい値が低いとされている一時不妊や胎児への影響がではじめるのが 100mGy (Gy:グレイ、物質がどれだけの放射線エネルギーを吸収したかを表す単位、吸収線量ともいう)といわれていますが、実際に用いられている X 線検査で 1~2mGy以下、CT 検査でも 10mGy 以下であり、通常の検査でしきい値を超えるようなことはまずありません。

 

 また、確率的影響にはしきい値がないとされているため、被曝がある限りリスクがないとは言えませんが、低線量での被曝での発生率の増加は統計的に明らかではなく、短期間に極端な回数の検査をしない限り、通常の検査で問題となるような被曝はまずありません。

 診断目的に使用されている放射線による検査はしっかりと管理されており、心配するほどの被曝量ではありません。放射線診療はあくまでも患者さんへの検査及び治療が目的であり、被曝は必要最小限になるよう行われ、かつ、利益がリスクより大きいという医師の判断の下で検査されていますので、安心して受けていただければと思います。


 肘の病気やケガは、年齢や性別に関わらず起こりえる疾患です。


今回は、当院で受診頻度の高い症例について解説させていただきます。


・テニス肘(上腕骨外側上顆炎)

 肘の外くるぶしあたりが痛くなり、物を持ち上げたり書字やキーボード、マウスを

 使う仕事、タオルを絞るたびに痛みを覚えるようになります。


 治療は薬物治療、ストレッチ、マッサージ等があります。

 早期には注射も有効です。


・野球肘

 ボールを投げる動作によって肘が痛くなる肘の障害の総称です。

 野球肘は、野球やソフトボール、やり投げなどの物を投げる動作だけでなく、

 テニスのようなラケットを振る動作で肘に強い力がかかるスポーツでもなります。

 骨(骨端線)、軟骨、靭帯、筋肉に負担がかかって発症します。

 肘の外側、内側、後方の3つの部位別に大きく分けられます。

 肘の外側の障害は、痛みが出て、軟骨がはがれるまでに1~2年以上かかることから

 本人も周囲も気づかないことがあります。


 軟骨がはがれてしまうと手術が必要になります。

 肘の内側の障害は、靭帯の骨についているところがくり返し引っぱられて、

 骨と軟骨が傷つきます。野球肘のなかでもっとも多く、通常は2~4週間の

 投球中止で復帰できます。


 肘の後方の障害は肘の肘頭という部分の障害で、小学生には少なく、

 高校生以上でおこることが多い障害です。

 それぞれ状況に応じて、治療や復帰までの期間は異なってきます。


・ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)

 手首や肘を使いすぎることによって起こります。

 肘の内側にある内側上顆に過度な負担がかかり、炎症を起こして痛みが生じます。

 手首を曲げたり、ひねったりする時に肘や前腕の内側に痛みを感じるのが特徴です。

 ゴルフで無理なスイングをしすぎた場合に発生することから、

 『ゴルフ肘』とも呼ばれます。


 治療は、内服薬や湿布で炎症を抑えて、痛みの改善を図ります。

 痛みが強い場合は、ステロイド注射をすることがあります。

 肘への負担を減らすのにストレッチをしてみるのもよいでしょう。


・肘部管症候群

 手首から先の小指、薬指のあたりにしびれが出ます。

 進行すると、手の甲の筋肉がやせてきたり、小指と薬指が変形します。

 加齢に伴う肘の関節の変形や神経を固定している靭帯やガングリオンなどの

 腫瘤による圧迫が原因です。


 治療は薬物治療、肘の安静などの保存治療を行います。

 改善しない場合や、麻痺が進行している場合は手術をします。


・肘内障

 子供が手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたままで

 動かさなくなります。

 肘の外側の骨(橈骨頭)の靭帯がずれることで起こります。

 治療は徒手整復をします。くり返すこともあるので注意してください。


・滑液包炎

 滑液包とは、関節の周りにある袋で、関節の動きを滑らかにする役割があります。

 度重なる圧迫や過剰な摩擦、打撲や捻挫などの外傷によって外傷性炎症を

 おこして腫れることが多いですが、痛風、リウマチなど炎症性によるものもあります。


 肘の後ろ側の骨の上にみられるのが肘頭滑液包炎です。

 局所に熱感を伴ったり、発熱することがあります。

 良性のもので、大きい場合や違和感があれば針を刺して水を抜きます。

 圧迫することも効果はありますが、再発することが多いです。

 炎症が原因の場合、抗菌薬による治療をします。

 予防する最善の方法は、できるだけ肘を酷使しないことです。

 肘を使う運動や仕事の後は、回復するための時間を設けるとよいでしょう。


もし、肘に痛みや違和感があれば放置せず、整形外科を受診することをおすすめします。



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