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 以前、健康のための安全な運動の始め方について、ブログを書かせていただきましたが、改めて皆さんは健康維持のためにからだを動かしていますでしょうか。

 

 人のからだは放っておくと、筋力や体力といった身体機能が徐々に低下してしまうため、健康な状態を保つには日頃から、からだを動かす習慣を身に付けておくことが重要になります。

 

 世界保健機関(WHO)によると、全世界においての死亡に関する危険因子の上位は、

1位:高血圧、2位:喫煙、3位:高血糖となっており、それらに次いで4位:身体活動・運動の不足が位置付けされています。

 

 また、身体活動や運動量が多い人は、それらが少ない人と比較して循環器疾患、糖尿病、がん、ロコモティブシンドローム(運動器の障害のために立ったり歩いたりするための身体能力が低下した状態)、うつ病、認知症等の発症や罹患リスクが低くなることは現代において周知の事実となっています。


 昨年、厚生労働省において「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」が改正されました。今回のブログではその一部をご紹介したいと思います。

 

 厚生労働省が推奨するガイドラインでは、身体活動と運動の定義を以下のように示しています。


身体活動」…安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する骨格筋の収縮を伴う全ての活動

運動」…身体活動のうち、スポーツやフィットネスなどの健康・体力の維持・増進を目的として計画的・定期的に実施されるもの

 

強度(メッツ)

運動の例

3.0

通常の歩行、ボウリング

4.0

速歩き、サイクリング

5.0

野球、ソフトボール

6.0

ジョギング

7.0

テニス、サッカー

8.0

水泳、ランニング

 

(用語の説明)

※   強度「メッツ」とは身体活動の強度を表し、安静座位時を1メッツとし、その何倍のエネルギーを消費するかという指標です。

例えば、3メッツの強度の身体活動は、少し息が上がるくらいの強度で、中強度とは3~5.9メッツ、高強度とは6メッツ以上の強度のことです。

 

 今回のガイドラインでは、ライフステージ(成人、子ども、高齢者)ごとに身体活動・運動に関する推奨事項がまとめられています。


 また、新たに座位行動という概念をとり入れ、立位困難な人に対しても、じっとしている時間が長くなりすぎないように、少しでも身体を動かすことを推奨しています。なお、実際に取り組むに当たっては、「個人差(健康状態、体力レベルや身体機能等)を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組むことが必要」と付記されています。

 

<成人に奨められる身体活動と運動>

○  個人差等を踏まえ、強度や量を調整し可能なものから取り組む。今よりも少しでも多く身体を動かす。

○  強度が3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上行うことを推奨する。具体的には歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上行うことを推奨する(1日約8,000歩以上に相当)。

○  強度が3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上行うことを推奨する。具体的には、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上行うことを推奨する。

○  筋力トレーニングを週2~3日行うことを推奨する(週4メッツ・時の運動に含めてもよい)。

○  座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなりすぎないように注意する(立位困難な人も、じっとしている時間が長くなりすぎないよう、少しでも身体を動かす)。


<こどもに奨められる身体活動と運動>

○  身体を動かす時間が少ないこどもには、何らかの身体活動を少しでも行うことを推奨する。

○  WHO「身体活動および座位行動に関するガイドライン(2020年)」では、次のようなことが推奨されている。

・  こどもは、中強度以上(3メッツ以上)の身体活動(主に有酸素運動)を1日60分以上行う。

・  高強度の有酸素性身体活動や筋肉・骨を強化する身体活動を週3日以上行う。

・  座りっぱなしの時間、特にスクリーンタイム(テレビ視聴やゲーム、スマートフォンの利用など)を減らす。

○  激しすぎる運動やオーバーユース(使いすぎ)に注意する。

 

<高齢者に奨められる身体活動と運動>

○  個人差等を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む。今よりも少しでも多く身体を動かす。

○  強度が3メッツ以上の身体活動を15メッツ・時/週以上行うことを推奨する。具体的には、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことを推奨する(1日約6,000歩以上に相当)。

  ✓上記の強度、推奨値に満たなくとも、少しでも身体活動を推奨する。

  ✓体力のある高齢者では成人同様(23メッツ・時/週)の身体活動を行うことで、さらなる健康効果が期待できる。

○  筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上行うことを推奨する。

○  筋力トレーニングを週2~3日行うことを推奨する(多要素な運動に含めてもよい)。

○  特に身体機能が低下している高齢者については、安全に配慮し、転倒等に注意する。

○  座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなりすぎないように注意する(立位困難な人も、じっとしている時間が長くなりすぎないように、少しでも身体を動かす)。

 

 以上、厚生労働省が推奨する健康づくりのためのガイドラインを紹介させていただきました。

 

 皆さんも是非この「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を参考にしながら、ご自身の日常生活内において、身体活動と運動を意識して実践する時間を増やしてみてはいかかでしょうか。

 

<引用サイト>

厚生労働省策定「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」





 今年は医療・介護・障害福祉の3分野で報酬の改定が同時に行われる「トリプル改定」の年となりました。


 診療報酬の改定に伴い薬価も改定されました。通常であればすべて4月に施行されるのですが、今回は政府が推し進めている医療DXの関係もあり診療報酬改定作業の負担軽減のため薬価は4月から、それ以外は6月から施行されています。


 医療DXの推進や医療従事者の待遇改善などを踏まえた今までにない改定となっております。今後も適切な保険診療を行って参りますのでご理解のほどよろしくお願いいたします。


 また、2024年12月2日から現行の健康保険証は発行されなくなります。12月2日時点で有効な保険証につきましては最大1年間有効ですのでそのまま窓口でお使いいただけますが、マイナンバーカードをお持ちの患者様におかれましてはお早めにマイナ保険証への切り替えをお願いしております。ご協力お願いいたします。


 マイナンバーカードのカードリーダーは受付にございます。顔認証か暗証番号をお選びいただき、本人確認をお願いいたします。


 なお、こども医療費助成制度やひとり親など医療費の助成を受けている方はマイナ保険証の他に従来の紙の受給者証が必要になりますので窓口までご提出ください。






 当院では、必要に応じてX線(レントゲン)検査とMRI検査による画像診断を行っていますが、それぞれの検査はどう違うのか、と質問されることがあります。


 そこで、今回はX線検査とMRI検査の違いについて簡単に説明していきたいと思います。

 

 まず、X線検査は、放射線の一種であるX線を体に照射して画像化する検査です。身体の内部の骨の状態を評価するために使用され、骨折や関節の変形などを確認するのに適しています。ただし、一方向からX線を照射し、画像化するため、詳しく診るためには体の向きを変えたりしていろんな角度から照射する必要があります。1回1回のX線照射時間はとても短いため、どこの部位を何回照射するかにもよりますが、大体5~10分程度で検査は終わります。


 次に、MRI検査は、磁気共鳴イメージングの略で、磁場と電磁波を使用して身体の内部の構造を画像化する検査です。X線検査と違い、放射線を使用しない為、被ばくすることはありません。


 X線検査は一方向からの画像に対して、MRI検査は身体を輪切りしたような任意の断面像を得ることができます。そのため、病変と身体の内部の組織や臓器との前後左右の位置関係が把握しやすいです。また、筋肉や軟骨、臓器などの軟部組織や神経組織などの描出に優れているため、脊椎や軟骨の損傷などを診断するのに適しています。さらに、出血や炎症などの変化も描出できるため、X線検査だけでははっきりとしなかった骨折(隠れ骨折)などの診断にも役立ちます。ただし、強力な磁場と微弱な電磁波の変化によって画像化しているため検査時間は長く、大体15~30分程度かかります。


 つまり、X線検査は骨の状態(骨折や変形など)を評価、MRI検査は軟部組織や神経組織などの詳細な情報を描出するのに適しており、どちらの検査も整形分野で重要な役割を果たしています。どちらの検査にもメリット・デメリットがあり、症状や状況に応じて、医者が適切に判断し、必要に応じてどちらの検査も組み合わせながら診断していきます。


 ただし、妊娠中の方やペースメーカー装着の方など検査が禁忌の場合もありますので、疑問な点は診察時にご相談ください。




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