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 年齢を重ねると、複数の病気を持つ⼈が増え、受診する医療機関や服用する薬の数も多くなる傾向にありますが、複数の医療機関から処⽅された同じ効能の薬を重複して服⽤したり(重複服薬)、多くの種類の薬を服⽤することで(多剤服薬)、薬本来の目的以外の好ましくない働き(副作用) が起きる場合があります。


●重複服薬とは


重複服薬とは、複数の医療機関にかかっている場合に、同じ効能の薬が重複して処方され、それを服用することです。


多剤服薬とは


多剤服薬とは、多くの種類のお薬が処方されて、服薬することです。一般的には 4 - 6 種類以上の薬をのんでいる場合をいいます。 ただ、病気の中には、治療に適正な薬の数が 6 種類を超える場合もあり、一概に全ての多剤服薬がよくないとは限りません。


●重複・多剤服薬の問題点


○薬の副作用リスクが高まります。

処方薬の効き目が強くなりすぎたり、他の薬同士の飲み合わせ(相性)が悪く、逆に体の不調を招いたり、副作用のリスクが高まります。

同じ効能の薬を重複して服用したり、多くの種類の薬を服用することで、副作用を起こし、きちんと薬が飲めなくなったりしている状態をポリファーマシーといいます。


○医療費の負担が大きくなります

同じ効能の薬を複数処方されれば、その分医療費を無駄にすることになります。服薬を見直すことで、日々の医療費を節約できる可能性があります。 


●ポリファーマシーの予防・解消のために

 

重複・多剤服薬の結果として生じるポリファーマシーを予防・解消するには、ただ処方する薬の数や量を減らせばいいというわけではありません。薬を処方する医師、調剤を行う薬剤師をはじめとした医療にかかわるそれぞれの専門家と情報を共有することが必要です。


お薬手帳は1冊にまとめて、受診時に必ず持参しましょう。


お薬手帳の内容をもとに、薬剤師が重複服薬や副作用が起きないかなどチェックしてくれます。また、お薬手帳を複数持っていると、処方された薬が重複しているか確認することができません。お薬手帳は病院や薬局ごとに分けずに 1 冊 にまとめておきましょう。


かかりつけ医・かかりつけ薬局を選びましょう。 


同じ病気で複数の医療機関を受診することで、医療費も余計にかかります。 ふだんからかかりつけの薬局や薬剤師を持って、処方されているくすりの情報を把握してもらっておくのが安心です。自己判断で服薬を中断せず、薬が重複しているかどうかの確認は、お薬手帳を持参して頂き、医師・薬剤師に相談して下さい。




 

 スマホ首とはストレートネックと呼ばれる、頸椎の生理的湾曲が減少した状態の通称として使われています。現代はスマートフォンの普及やデスクワークの増加など下を向く機会が増え、頸椎への負担が相対的に増えています。その為本来は頸椎の負担を減らすための湾曲が減少し、頚部や肩関節などにかけて痛みや痺れを主訴とする訴えが増加傾向にあります。


 具体的な介入方法を決定するためには、病院で各種検査を行い原因が明確となった時点で治療を開始します。頚部から手関節までの痛みや痺れ、重だるさを主訴として来院し、ストレートネックに当てはまる方は少なくありません。


 比較的軽度の場合が多く保存的治療で改善する場合もありますが、重症の場合は手術が必要となる場合もあります。このような方は医療機関を受診するまでの期間が長く、様々な二次的障害が生じている場合が多い傾向にあります。悪循環が病態を複雑化させて症状改善に長期間を必要とする、または手術が適応となる場合が多いです。そのため早期から治療的な介入を開始することが重要になります。


 頸椎の症状が軽度の場合は保存的治療として安静、薬物療法、理学療法(リハビリ)が行われます。安静といっても単に頸椎に負担をかける動作や仕事などを避けるだけのものから、頸椎装具(主として頸椎カラー)を着用する場合もあります。手で重い物を持ち上げる動作は筋肉を介して頸椎に圧迫を加えるためできる限り避けましょう。

 

 薬物療法では消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、末梢循環改善薬などが主に選択されています。

 

 理学療法は牽引治療、電気治療、生活指導、マッサージ等の治療が使用されます。出来る限り早期の受診、毎日のセルフケアを行うことを受診された方には伝えています。


 今回は頚部痛の慢性化予防や筋力強化に有効なセルフケアをご紹介します。


●頭頸部の筋力トレーニング(立位姿勢)

 ①壁に背中をつけた姿勢であごを引き正面を見るようにします。背筋を伸ばし頭の位置と 

  肩の位置をそろえます。

 ②頭の後ろ全体で壁を押し付けるように力を入れます。このとき、首の前側や胸周りに力

  が入らないように手で触って確認します。また上下の歯は接触しないように口を閉じて

  行います。

 ③上記②を10秒間10回行います。1日2~3セットを目安にすると効果的です。


●頭頸部周囲筋の緊張を和らげる運動(立位姿勢)

 ①壁に背中をつけた姿勢であごを引き正面を見るようにします。背筋を伸ばし頭の位置と

  肩の位置をそろえます。

 ②上下左右にゆっくりとリラックスした状態で首を動かします。痛みが出ない範囲で小さ

  く動かし、慣れてきた段階で徐々に大きくゆっくり動かしていきます。

 ③上記②を10回ずつ行います。1日2~3セットを目安にすると効果的です。


 回数やセット数は自分の状態に合わせ増減させて調整してください。運動は痛みがない程度に無理せず行うことが大切です。違和感や痛みが強い場合などは早めの受診をお勧めします。


引用文献

 ここがポイント!整形外科疾患の理学療法 改訂第2版 

 協同医書出版社 理学療法ハンドブック第三巻




 



 「運動不足を解消したいんだけど、具体的にどうしたら良いんだろう?」運動不足を解消するための方法を知りたい方もいらっしゃるでしょう。

 運動不足解消に有効な有酸素運動と筋肉トレーニングについて、それぞれ具体的な方法を交えて紹介していきます。

1.有酸素運動

 有酸素運動は酸素を用いて体内の糖質や脂質をエネルギーとして消費する筋肉への負荷が比較的軽めの運動で、長時間続けやすいことが特徴です。

 有酸素運動は体内の脂質を燃焼させるため、体脂肪の減少、それによる体重の減少効果も期待できます。また内臓脂肪を減少させられるため、生活習慣病の予防や改善にも効果があります。

 

 これに加え、有酸素運動はスタミナや粘り強さを意味する心肺持久力も高めます。

有酸素運動は体重を減らし、生活習慣病のリスクを減らし、より運動に適した体にする運動だといえます。有酸素運動には、屋外で行うウォーキングやジョギング、サイクリング、ハイキングなどの他、室内で行うエアロビクスダンス、フィットネスバイク、水泳などが含まれます。

 ここでは、運動不足の方でも気軽に始めやすい有酸素運動を紹介していきます。

 -1.ウォーキング

  ウォーキングは有酸素運動のなかでも体への負担が少ない運動です。

 特別な装備も不要なため、運動不足を感じている方でも通勤や通学の際などに気軽に始め

 られます。

 

  「これまで運動していないのに、いきなり激しい運動を始めるのはちょっと怖い……」

 という方は、まずウォーキングからスタートして様子を見てみると良いでしょう。

  安全で効果的なウォーキングのポイントは、フォームをしっかりと保ちつつ、体重移

 動を意識しながら腕を大きく振り、大きめの歩幅で歩くことです。

  ただし体への負担が軽いとはいえ、運動不足の状態からいきなり長距離や長時間を目指

 すと健康を損ないかねません。息が弾み、うっすら汗ばむくらいのペースを意識しなが

 ら、少しずつ距離や時間を伸ばしていくようにしましょう。

 -2.ジョギング

  ジョギングは、ウォーキングではちょっと物足りないという方や、積極的に心肺持久

 力を高めてスポーツを楽しみたい方に適している有酸素運動です。

  シューズやウェアなどある程度の装備をそろえる手間はありますが、ジムなどに通う

 必要はないため、始めるハードルは比較的低いといえます。


  ジョギングを行う場合は、けがを防ぐためにしっかり準備運動をするよう心掛け、走る

 際のフォームも意識するようにしましょう。また無理な目標を立てず、苦にならずに楽し

 く走り続けられる距離やペースを心掛けることが大切です。

 -3.水泳

  水泳は足腰に不安のある方にもおすすめの有酸素運動です。

 水中では浮力が発生するため、膝や腰などの関節に負担がかかりにくいといえます。

 体力に自信のない方や高齢の方、関節に痛みのある方に適した有酸素運動といえるでしょ

 う。泳げない方や体力に自信のない方は、まずは水中ウォーキングから始めてみても良い

 でしょう。

 4.サイクリング・フィットネスバイク

  サイクリングやフィットネスバイクは、体への負担が小さく、運動量をコントロール

 しやすい有酸素運動です。サイクリングやフィットネスバイクはサドルにお尻を乗せて行

 う運動であることから、膝や腰への負担が軽いことが大きな特徴です。膝や腰などに痛み

 がある方や、肥満と診断された方にとってもリスクの少ない運動といえるでしょう。

  

  普段運動の時間がとりにくい方は、通勤・通学手段を自転車に切り替えてみても良い

 ですね。

  

  サイクリングであればコースの勾配の有無などによって、フィットネスバイクでは時

 間や負荷の調整によって、どれくらいの運動量にするかを調整しやすいことも大きな魅力

 です。運動の際は背筋を伸ばして足裏をしっかりペダルに乗せ、サドルに体重を左右均等

 に乗せるなど、姿勢もしっかり気を付けましょう。サイクリングをする際には動きやすい

 ストレッチ性のボトムスを選び、巻き込みの危険があるスカートや裾の広がったパンツは

 避けましょう。また安全のためにサンダル履きは避け、運動靴のひもも巻き込まれないよ

 う靴の中にしまっておきましょう。



◎運動する際の注意点

 「これまで運動してこなかったから、何に気を付ければ良いのか分からない……。」

安全に運動するためにはどうすれば良いのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 ここでは安全に運動を続けていくための注意点を紹介します。無理なく運動不足を解消するために、しっかりチェックしてください。

 -1.運動前後にストレッチを行う

  運動の前後にしっかりストレッチを行う習慣を付けましょう。

 ストレッチは筋肉や関節の柔軟性を高め、けがの予防や疲労回復の助けとなるため、運動

 前のウォーミングアップ(準備運動)、運動後のクーリングダウン(整理運動)として行

 うことが勧められます。

 -2.継続できる無理のないペースで行う

  運動不足を解消するためには、継続的に運動をしていくことが重要です。

 体力やスケジュール的に無理のある運動はモチベーションの維持が難しいため、自分にと

 って適切なペースがどれくらいかを考えるようにしましょう。

  また体に強い負担をかけ続けていると、けがや事故、体調不良のリスクが高まりま

 す。運動ができない状態になってしまうと、運動不足解消という目的も達成できなくなっ

 てしまいます。 運動の適切なペースは体力や健康状態、年齢などによって大きく変わる

 ため、単純に決めることはできません。

  最初は無理をせずに少しずつペースを上げながら、体力やスケジュールを圧迫せず、日

 常の習慣として安全に継続できるペースを見つけることが重要といえるでしょう。

 -3.疾患がある場合はかかりつけ医に相談する

  運動は心身に多くの良い影響をもたらしますが、疾患を悪化させる可能性もあるため、

 十分注意する必要があります。

  現在治療中の疾患がある方は、必ずかかりつけ医にどのような運動なら問題ないかを

 相談し、許可を得た上で実施するようにしましょう。

 

  それぞれの症状や治療の状況によって、実施して良い運動やペースは異なります。

 運動する際はその日の体調や天候などをしっかり確認した上で、無理がありそうならば

 運動メニューを変更したり、中止したりしましょう。

  疾患ではなくとも、筋力・体力の低下や体重の増加、膝や腰などの痛みなどが気にな

 っている方は、念のため自己判断せず医師に相談してみると良いでしょう。せっかくの運

 動で疾患を悪化させないよう、健康につながる運動を目指してみてくださいね。

運動不足について まとめ


 運動不足は筋力や体力の低下に加え、がんや心臓病、脳卒中をはじめとした生活習慣病やメンタル面の不調など、心身に多くの悪影響を及ぼします。

 運動不足を解消するにはウォーキングやジョギングのような有酸素運動と、自重トレーニングやダンベルなどの器具を用いた筋トレを日常生活に組み込み、継続してゆくことが重要です。

 運動をより効果的に行うためには、運動の順番や頻度を気にするだけでなく、日々の食生活のバランスも見直してみましょう。

 また早く運動不足を解消しようといきなり激しい運動を行ってしまうと、けがや体調不良を引き起こしかねません。

 自分の体力や体調、日々のスケジュールなどに合わせて無理なく運動を続けることで、安

全に運動不足を解消していきましょう。


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