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 「運動不足を解消したいんだけど、具体的にどうしたら良いんだろう?」運動不足を解消するための方法を知りたい方もいらっしゃるでしょう。

 運動不足解消に有効な有酸素運動と筋肉トレーニングについて、それぞれ具体的な方法を交えて紹介していきます。

1.有酸素運動

 有酸素運動は酸素を用いて体内の糖質や脂質をエネルギーとして消費する筋肉への負荷が比較的軽めの運動で、長時間続けやすいことが特徴です。

 有酸素運動は体内の脂質を燃焼させるため、体脂肪の減少、それによる体重の減少効果も期待できます。また内臓脂肪を減少させられるため、生活習慣病の予防や改善にも効果があります。

 

 これに加え、有酸素運動はスタミナや粘り強さを意味する心肺持久力も高めます。

有酸素運動は体重を減らし、生活習慣病のリスクを減らし、より運動に適した体にする運動だといえます。有酸素運動には、屋外で行うウォーキングやジョギング、サイクリング、ハイキングなどの他、室内で行うエアロビクスダンス、フィットネスバイク、水泳などが含まれます。

 ここでは、運動不足の方でも気軽に始めやすい有酸素運動を紹介していきます。

 -1.ウォーキング

  ウォーキングは有酸素運動のなかでも体への負担が少ない運動です。

 特別な装備も不要なため、運動不足を感じている方でも通勤や通学の際などに気軽に始め

 られます。

 

  「これまで運動していないのに、いきなり激しい運動を始めるのはちょっと怖い……」

 という方は、まずウォーキングからスタートして様子を見てみると良いでしょう。

  安全で効果的なウォーキングのポイントは、フォームをしっかりと保ちつつ、体重移

 動を意識しながら腕を大きく振り、大きめの歩幅で歩くことです。

  ただし体への負担が軽いとはいえ、運動不足の状態からいきなり長距離や長時間を目指

 すと健康を損ないかねません。息が弾み、うっすら汗ばむくらいのペースを意識しなが

 ら、少しずつ距離や時間を伸ばしていくようにしましょう。

 -2.ジョギング

  ジョギングは、ウォーキングではちょっと物足りないという方や、積極的に心肺持久

 力を高めてスポーツを楽しみたい方に適している有酸素運動です。

  シューズやウェアなどある程度の装備をそろえる手間はありますが、ジムなどに通う

 必要はないため、始めるハードルは比較的低いといえます。


  ジョギングを行う場合は、けがを防ぐためにしっかり準備運動をするよう心掛け、走る

 際のフォームも意識するようにしましょう。また無理な目標を立てず、苦にならずに楽し

 く走り続けられる距離やペースを心掛けることが大切です。

 -3.水泳

  水泳は足腰に不安のある方にもおすすめの有酸素運動です。

 水中では浮力が発生するため、膝や腰などの関節に負担がかかりにくいといえます。

 体力に自信のない方や高齢の方、関節に痛みのある方に適した有酸素運動といえるでしょ

 う。泳げない方や体力に自信のない方は、まずは水中ウォーキングから始めてみても良い

 でしょう。

 4.サイクリング・フィットネスバイク

  サイクリングやフィットネスバイクは、体への負担が小さく、運動量をコントロール

 しやすい有酸素運動です。サイクリングやフィットネスバイクはサドルにお尻を乗せて行

 う運動であることから、膝や腰への負担が軽いことが大きな特徴です。膝や腰などに痛み

 がある方や、肥満と診断された方にとってもリスクの少ない運動といえるでしょう。

  

  普段運動の時間がとりにくい方は、通勤・通学手段を自転車に切り替えてみても良い

 ですね。

  

  サイクリングであればコースの勾配の有無などによって、フィットネスバイクでは時

 間や負荷の調整によって、どれくらいの運動量にするかを調整しやすいことも大きな魅力

 です。運動の際は背筋を伸ばして足裏をしっかりペダルに乗せ、サドルに体重を左右均等

 に乗せるなど、姿勢もしっかり気を付けましょう。サイクリングをする際には動きやすい

 ストレッチ性のボトムスを選び、巻き込みの危険があるスカートや裾の広がったパンツは

 避けましょう。また安全のためにサンダル履きは避け、運動靴のひもも巻き込まれないよ

 う靴の中にしまっておきましょう。



◎運動する際の注意点

 「これまで運動してこなかったから、何に気を付ければ良いのか分からない……。」

安全に運動するためにはどうすれば良いのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 ここでは安全に運動を続けていくための注意点を紹介します。無理なく運動不足を解消するために、しっかりチェックしてください。

 -1.運動前後にストレッチを行う

  運動の前後にしっかりストレッチを行う習慣を付けましょう。

 ストレッチは筋肉や関節の柔軟性を高め、けがの予防や疲労回復の助けとなるため、運動

 前のウォーミングアップ(準備運動)、運動後のクーリングダウン(整理運動)として行

 うことが勧められます。

 -2.継続できる無理のないペースで行う

  運動不足を解消するためには、継続的に運動をしていくことが重要です。

 体力やスケジュール的に無理のある運動はモチベーションの維持が難しいため、自分にと

 って適切なペースがどれくらいかを考えるようにしましょう。

  また体に強い負担をかけ続けていると、けがや事故、体調不良のリスクが高まりま

 す。運動ができない状態になってしまうと、運動不足解消という目的も達成できなくなっ

 てしまいます。 運動の適切なペースは体力や健康状態、年齢などによって大きく変わる

 ため、単純に決めることはできません。

  最初は無理をせずに少しずつペースを上げながら、体力やスケジュールを圧迫せず、日

 常の習慣として安全に継続できるペースを見つけることが重要といえるでしょう。

 -3.疾患がある場合はかかりつけ医に相談する

  運動は心身に多くの良い影響をもたらしますが、疾患を悪化させる可能性もあるため、

 十分注意する必要があります。

  現在治療中の疾患がある方は、必ずかかりつけ医にどのような運動なら問題ないかを

 相談し、許可を得た上で実施するようにしましょう。

 

  それぞれの症状や治療の状況によって、実施して良い運動やペースは異なります。

 運動する際はその日の体調や天候などをしっかり確認した上で、無理がありそうならば

 運動メニューを変更したり、中止したりしましょう。

  疾患ではなくとも、筋力・体力の低下や体重の増加、膝や腰などの痛みなどが気にな

 っている方は、念のため自己判断せず医師に相談してみると良いでしょう。せっかくの運

 動で疾患を悪化させないよう、健康につながる運動を目指してみてくださいね。

運動不足について まとめ


 運動不足は筋力や体力の低下に加え、がんや心臓病、脳卒中をはじめとした生活習慣病やメンタル面の不調など、心身に多くの悪影響を及ぼします。

 運動不足を解消するにはウォーキングやジョギングのような有酸素運動と、自重トレーニングやダンベルなどの器具を用いた筋トレを日常生活に組み込み、継続してゆくことが重要です。

 運動をより効果的に行うためには、運動の順番や頻度を気にするだけでなく、日々の食生活のバランスも見直してみましょう。

 また早く運動不足を解消しようといきなり激しい運動を行ってしまうと、けがや体調不良を引き起こしかねません。

 自分の体力や体調、日々のスケジュールなどに合わせて無理なく運動を続けることで、安

全に運動不足を解消していきましょう。




 世界保健機関(WHO)の調査によれば、世界の 14 億人以上の成人が運動不足であり、性別ごとにみると男性は 4 人に 1 人、女性は 3 人に 1 人の割合で運動が足りていないことがわかっています。

さらに日本人だけに注目をすると 3 人に 1 人が運動不足である状況がわかりました。

この深刻化する運動不足を改善するため世界保健機関(WHO)は、2025 年までに、運動不足の割合を 10 %下げるという目標を掲げています。

◎現代人が運動不足な理由‥

現代人の 3 人に 1 人が運動不足と言われる理由はいくつかあります。


労働環境の変化

 新たな働き方として「在宅ワーク」という、自宅に居ながら仕事をするスタイルが増えて 

 います。そうすることで自宅から会社に行く通勤中の運動が無くなってしまいますし、デ

 スクワークが多くなるため現代人の運動不足をより加速させます。

○移動手段の変化

 公共交通機関や自転車の発展から歩行量が減り、エレベーターやエスカレーターの普及

 により階段の使用頻度も減少してしまっています。近年ではアパートやマンションでもエ

 レベーター付きの物件が多いため、全く階段を利用していないという方もいらっしゃるの

 ではないでしょうか?

○気候や季節の影響

 日本には四季があり、台風や梅雨など気候や季節の影響が生活に大きく関係してきま

 す。さらに最近までは記録的な猛暑が続き、少し動くだけでも汗をかいてしまう状況でし

 た。その中で運動に対するモチベーションを上げることが難しかったというお声もありま

 す。

◎運動不足の悪影響とは?

「運動不足のままでいると、体に良くない影響があるのかな?」

「運動不足を解消するにはどんなことから始めたら良いんだろう?」

 体を動かせない日々が続いていて、運動不足が気になっているという方もいらっしゃる 

 でしょう。運動不足が続くと、体力や筋力が衰えたり肥満になったりするだけでなく、メ

 ンタルの不調につながる可能性もあります。

 また、がんを含む生活習慣病のリスクも高まってしまいます。

1.運動不足とは

 現在の自分の生活スタイルで運動不足になっていないか、気になっている方もいらっしゃ

 るでしょう。運動不足についての明確な基準があるわけではありませんが、厚生労働省は

 「運動習慣のある者」を「 1 日 30 分以上の運動を週 2 回以上実施し、1 年以上継続して

 いる者」と定義付けています。この基準を満たしていない方は運動習慣がない、つまり運

 動不足の状態にあるといえるかもしれません。

  また、厚生労働省は 18 ~ 64 歳に対し、生活習慣病の発症や生活機能の低下のリスク

 が抑えられる「運動量の基準」を設けています。

2.運動不足のもたらす悪影響

 「運動不足は体に悪いというイメージだけど、具体的にどんな影響があるのかな?」

 実際に運動不足がもたらす影響について、気になる方も多いのではないでしょうか。

 運動不足によって引き起こされる症状や病気について説明していきます。

 -1.体力・筋力の低下

  運動不足が健康にもたらす最大の影響は、体力や筋力の低下です。

 体力や筋力は有酸素運動や筋肉トレーニングを行うことによって高められますが、運動不

 足では体力や筋力を維持できなくなってしまいます。筋力の低下が進むと、立つ、歩くと

 いった日常的な動作にも支障が生じるようになり、仕事や家事にも影響が出かねません。

  また、肥満や膝や腰など痛みといったリスクも生じます。

 -2.肥満

  運動不足だと消費カロリーが少なくなるため、肥満に陥りやすくなります。

 食事などから摂取したカロリーが消費カロリーを上回る状態が続くと、体脂肪が蓄積され

 肥満につながります。運動不足では消費カロリーが少なくなりがちなため、たとえ摂取カ

 ロリーがあまり多くなくとも肥満になりやすい状態にあるといえるでしょう。

  また運動不足で筋力が低下すると、基礎代謝が低下してカロリーが蓄積されやすくな

 り、肥満のリスクが増大します。肥満は内臓の周りに脂肪がつく内臓脂肪型肥満と皮下組

 織に脂肪がつく皮下脂肪型肥満に分けられ、特に内臓脂肪型肥満は生活習慣病の発症リス

 クを高めることが分かっています。  

  この他にも、筋力の低下と肥満が結びつくことで、足腰の関節や軟骨などに負担を掛

 け、痛みの原因となる場合もあります。

 -3.動脈硬化性疾患

  運動不足で内臓脂肪の蓄積した状態を放置していると、動脈硬化のリスクが高まりま

 す。動脈硬化の要因には高血圧、糖尿病、脂質異常症などがありますが、内臓脂肪型肥満

 はこれらを引き起こしやすくすると考えられているのです。内臓脂肪による健康への悪影

 響を予防するための概念が「メタボリックシンドローム」です。

  そのため、より深刻な病気になってしまう前に、内臓脂肪の蓄積やメタボリックシン

 ドロームを改善することが重要だと考えられるのです。肥満はもちろん糖尿病や高血圧、

 脂質異常症も運動によって改善が可能です。こうした状態にある方は運動習慣をつけるこ

 とが重要だといえるでしょう。

 -4.膝や腰などの痛み

  運動不足は膝や腰などの痛みにもつながります。痛みの原因は筋力の低下や、関節の可

 動域が狭くなること、筋肉が緊張してこわばることなどです。膝を支える筋肉が衰える

 と、体重をうまく支えられなくなって膝関節の内側に負担が集中してしまいます。これに

 より軟骨がすり減って、膝に痛みや炎症が生じます。

  また背骨を支える筋肉が衰えると背骨や腰椎への負担が増え、筋肉が凝り固まって血

 流が滞ることで腰痛が発生しやすくなります。運動不足によって体重が増えてしまった場 

 合には、膝や腰にさらなる負担がかかることになります。

 -5.便秘

  運動不足は便秘の原因の一つです。

 運動不足によって起こる便秘は「弛緩性便秘」という種類で、大腸のぜん動運動が低下す

 ることが原因です。

  また運動自体に腸全体に刺激を与えて動きを活性化するはたらきがあるため、運動不足

 だと便秘になりやすい状態が重なってしまうことになります。便秘の原因は運動不足だけ

 ではありませんが、運動と便通は密接に関わり合っているため、運動の機会の少ない方は

 注意が必要です。

 -6.骨粗しょう症

  運動不足は骨粗しょう症の原因になります。骨粗しょう症は骨の代謝バランスが崩れ

 ることで、骨がもろくなって骨折しやすくなった状態を指します。運動によって骨に負荷

 をかけない状況が続いていると、骨の材料となるカルシウムの利用効率が悪くなり、骨粗

 しょう症に陥りやすくなります。運動不足が続くことで丈夫な骨がつくられなくなり、骨

 粗しょう症になる危険性が高まるのですね。

  なお、骨粗しょう症はカルシウムやマグネシウムなどのミネラル不足やビタミンバラン

 スの偏り、高齢女性の閉経に伴う女性ホルモン減少などによっても起こります。

 -7.がん

  運動不足だと、日本人の死因の第1位でもあるがんのリスクも高まります。

 国立がん研究センターの研究では、性別を問わず身体活動量が多い人ほどがんになるリス

 クが低くなることが示されました。

  部位別で見ると、身体活動量が多い男性は少ない男性よりも最大で結腸がんが 0.57

 倍、肝がんが 0.62 倍、膵がんが 0.55 倍まで、女性でも胃がんが 0.63 倍までリスクが下

 がっています。

 つまり、運動不足の人はしっかり運動している人に比べると、がんのリスクが最大で 2 倍

 近く高いということになります。


 -8.抑うつ・うつ病

  運動不足は気分が落ち込んだり憂うつになったりする抑うつ状態や、うつ病の発症に

 関係しているケースもあるといわれています。

  国際的な大規模研究「HUNT研究」の一環として行われた運動とうつ病に関する研究で

 は、普段全く運動をしない人は、週に 1 ~ 2 時間運動する人よりもうつ病の発症のリスク

 が 44 %も高いことが示されています。

  また同研究では、毎週 1 時間の運動を続けることで、うつ病の発症を 12 %抑制できる

 と結論づけています。加えて運動療法がうつ病の治療にも有効であることも分かってお

 り、運動にうつ病を原因とした体力の低下を回復させ、生活リズムを整える効果もあるこ

 とから、回復プログラムの一環として行われることもあります。

  運動不足がうつ病や抑うつ状態に直結するとは限りませんが、関連性があると考えら

 れます。


少し長くなりましたが、現在人の運動不足の原因とそれによる悪影響についてまとめてみました。


★次号では、おすすめの運動不足解消法と注意点について触れたいと思います。

 今回は当院の骨折症例でも多い、転倒に伴う手首の骨折について紹介します。


 コーレス骨折(Colles' fracture)とスミス骨折(Smith's fracture)は、手首の骨折の一種です。これらの骨折は、手首の骨である橈骨と尺骨に影響を及ぼすものであり、それぞれ特定の方向に骨が破損することを指します。以下にそれぞれの骨折について説明します。


■コーレス骨折

 コーレス骨折は、橈骨が手首の背側に転位する骨折です。この骨折は、手を前方に突き出した状態で手首を伸ばして転倒した際によく見られます。この結果、手首が背屈されて橈骨が外側に突き出し、骨折が発生します。一般的には手首の遠位端(手から離れた部分)で破損が見られます。当院でも冬によくみられる骨折症例です。


主な症状には、手首の腫れ、痛み、変形が含まれます。治療は、手首を固定するためにギプスやスリングを使用することがあります。場合によっては手術が必要なこともあります。


スミス骨折

 スミス骨折は、橈骨が手の平側に転位する骨折です。これは自転車やバイクに乗って転倒した際に発生することが多いです。手首が屈曲されることで、橈骨が内側に移動して骨折が発生します。


 スミス骨折も主に手首の遠位端で発生し、腫れ、痛み、変形などが症状として現れます。治療は、ギプスやスリングを使用して手首を固定することで行われます。場合によっては手術が必要なこともあります。


 これらの骨折は、急性外傷や転倒などが原因で発生することが多いです。症状が現れた場合は、早めに医師の診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。


■レントゲンでは分からないが、MRI で分かる骨挫傷

 

 コーレス骨折やスミス骨折はレントゲンで明らかですが、レントゲンだけでは分からない骨折の前段階である骨挫傷(骨の内出血)というものもあります。骨挫傷はMRIだと分かりやすく、転倒後に頻繁にみられる症例です。


以下のレントゲンと MRI の画像をご覧ください。



              図1:左手関節レントゲン 



              図2:左手関節 MRI(STIR)


 図 1 のレントゲン画像では明らかな骨折は認められませんが、

 図 2 の MRI 画像(STIR:正常な骨は黒く、異常な骨は白く見える撮影法)では、レントゲンでは見られなかった異常像が描出されています。  このように他院でレントゲンを撮影して異常なしと言われても、実は骨挫傷していたということもあるのです。当院では当日でも MRI を撮影出来るので、お困りの方は一度ご来院ください。

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