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健康のための安全な運動の始め方について‥


 皆さんはご自身の健康のために日常生活でどのような事に気を使われていますか?


 偏った食事や過剰な飲酒、喫煙、ストレスの過多は健康に決して良くないことは周知の事実です。そして、これらに運動不足が加わると肥満や生活習慣病のリスクがますます高くなります。さらに、加齢によって身体能力の低下が伴うと転倒の危険性が高まり、思わぬ怪我につながってしまうこともあります。


 日常生活で運動を行う習慣が無い人は、心臓病や糖尿病、脳卒中などの疾患、腰痛症や膝関節痛、骨粗鬆症などの筋骨格系の疾患、抑鬱症や認知症といった精神や認知機能の疾患など、多岐にわたって身体に障害を起こしやすいことが専門家の研究により明らかにされています。


 逆に言えば、適度な運動を継続して身体活動量を維持することで、多くの疾患や予期せぬ怪我のリスクを減らすことができ、ストレス解消を図りながら健康的な生活を送ることが可能になります。


 このような理由から近年では、健康維持のためにウォーキングやランニング、ヨガといった運動、パークゴルフや登山、サイクリングなどといった趣味を始められる方が非常に多くなっています。


 一方で、急激に多くのことをやり過ぎてしまったり、身体の状態に合わない運動を行ってしまうと、筋肉や腱、関節を痛めたり、運動に対するモチベーション自体が下がってしまい、成果を実感することなく途中でリタイアしてしまう方も少なくありません。

そこで今回は、健康のための安全な運動の始め方についてお話をしたいと思います。


 まず、健康な身体づくりには筋力や体力の向上が不可欠になります。専門的には最大酸素摂取量(生体のとりうる酸素摂取量の最大値:有酸素過程で出しうるエネルギーの最大量)の増大が、体力向上の目安となります。これは、呼吸によりたくさんの酸素を取り込んで行う全身運動、いわゆる有酸素運動(ウォーキング、ランニング、水泳、サイクリング、ダンスなど)を行うことによって増加します。


 しかし、運動によって得られる効果は残念ながら長続きしないため、運動の効果を持続させるためには三日坊主で終わることなく、日に何回、週に何日と定期的に実施していく必要があります。


 アメリカスポーツ医学会によると、始めたばかりでまだ身体が運動することに慣れていない時期は、運動の負荷レベルを “楽に感じる” くらいから “ややきつく感じる” くらいの強さで、1回10分以上、1日あたり20~30分以上の有酸素運動を週3日以上行うことが必要であるとされています。


 このような運動を続けることで、個人差はありますが、20~30回のトレーニング後には身体が軽く感じられるようになったり、疲れにくくなったりといった効果が実感できるようになります。その後は同じような負荷量の運動を続けていても筋力や体力の向上がみられなくなるので、1ヵ月程度運動を続けたら、運動の内容を見直し、時間や頻度を段階的に引き上げていくと良いでしょう。


 運動を実施する際の注意事項として、暑さや寒さ、湿度や日射量などの外的環境に合わせて適性に服装を選び、実施前にはウォーミングアップ(ストレッチやラジオ体操など)を入念に行いましょう。また、過不足のない水分補給を心掛け、運動中の体調変化に注意しましょう。そして、運動終了時にはしっかりとクールダウン(ストレッチや整理体操)を行いましょう。クールダウンを十分に行うことによって全身的な疲労の回復を促進し、筋肉痛の予防や次回以降の運動に対するモチベーションアップにもつながります。


 さらに、運動を長続きさせるためのコツとしては、最初に運動を決める際、ご自身が十分に楽しめる内容を選択し、少しずつクリアできる目標を立てましょう。そして、毎回の運動では無理をしてやり過ぎたりせず、怪我や事故などが無いように十分に配慮することが重要です。


 厚生労働省では生活習慣病を予防するための健康づくりを推奨しています。皆さんが安全に運動を始められるように身体活動指針(アクティブガイド)を公表していますので、是非参考にしてみて下さい。

18歳から64歳の人を対象にした身体活動指針(アクティブガイド)

65歳以上の人を対象にした身体活動指針(アクティブガイド)

 <厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報より>


 現代社会では日常生活に支障はないものの、身体のあちこちに痛みや不安を抱える人が非常に多くなっています。また、運動不足、栄養の過剰摂取、ストレス過多といった健康にとっては負の条件が揃いやすい状況でもあります。


 人生100年時代において、痛みや不安を抱え、不健康な状態のままでは有意義な日常生活を送ることが難しくなってしまいます。元気で生き生きと暮らせるように、ご自身の生活に運動を行う習慣を取り入れて、積極的な毎日を過ごしてみてはいかがでしょうか。


 最後に、老若男女、人によって運動のスタートラインは同じではありません。また、同程度の体格の人でも運動による諸反応はそれぞれ異なるため、実施する内容も一人ひとり違うものとなります。


 運動を始めるにあたってご自身のお身体に関する心配ごとやお悩み、運動の内容や程度に関してのご質問などがありましたら、是非当院にご相談下さい。

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