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股関節に負担をかけないウオーキングのやり方と、自宅で簡単にできるストレッチ



 2月号-②に引き続きの投稿になります。


 今回は、股関節に負担をかけないウオーキングのやり方と、自宅で簡単にできるストレッチと筋トレを紹介します。


 股関節に違和感や痛みを感じると、動くことをためらうようになり、運動不足になりがちです。そうなると筋肉は急激に衰え、関節を痛める可能性がより高まります。関節周りの筋肉を鍛えるため、まずは関節への負荷を軽減し、痛めない歩き方を身につけましょう。

 

 ポイントは「かかとから着地して歩く」ことです。かかとから着地し、爪先で地面を蹴るようにします。こうすることで、足首やひざ関節が着地の衝撃をうまく吸収し、股関節にかかる負荷を軽減できます。一歩一歩「かかとから」を意識し、足の裏で大地をしっかりと捉えているようなイメージを持ち、リズム正しく歩いてみてください。背筋を無理なく伸ばし、両肩を水平に維持して姿勢良く歩きましょう。慣れるまで少し時間はかかりますが、着実に正しい歩き方を身体に覚えさせることが重要です。かかとから接地しないべた足やすり足は、股関節への負担も大きい歩き方です。つまずいたり、転んだりすることも多くなり、骨折につながります。


 ウオーキングでもまず意識することは、やっぱりかかとから着地すること。正しい歩き方をマスターしていないと、衝撃で股関節を痛めるリスクがあります。最初は自分がやや楽と感じるくらいのスピードと距離から始めましょう。慣れてきたら徐々にスピードを上げたり、距離を伸ばしていきます。そして、自分にとって、ややきついと感じられるちょうどいいスピードと距離を見つけて、それを継続していくことです。毎日続けるのが難しければ、2〜3日に1回でも構わないです。とにかく、意識的に運動習慣をつくることを心掛けてください。


 余談ですが、ウオーキングには多くの効果があると科学的・医学的に証明されています。身近なところでは糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満、骨粗しょう症など生活習慣病の予防です。厚生労働省のガイドラインを参照すると、おおむね中等度(ややきつい)の運動を30分以上、週3〜5回行うことが推奨されています。ややきつい速度で約30分のウオーキングを習慣にすれば、さまざまな病気の予防につながるということです。 

 

 すでに股関節に痛みがあって陸上では長時間歩けないという人は、プールでの水中ウオーキングがお勧めです。水中ならば浮力を利用して楽に歩けます。また、水圧の効果で心臓への負担も減るので心拍が上がりにくく、より多くの運動ができます。さらに水温の効果も加わります。水中の温度は体温よりも低いため、身体は体温を保とうとしてより多くのエネルギーを消費するので、水中ウオーキングにはダイエット効果もあるのです。


 股関節周りのストレッチと筋トレは、まずは易しい動きから取り組んでみましょう。脚を閉じる筋肉「内転筋群」と、脚を外側に捻る筋肉「外旋筋群」のストレッチと筋トレです。歩行時、片脚立ちになった瞬間によく使われる筋肉で、長引くコロナ禍による外出自粛で衰えがちな筋肉です。



股関節内転筋群のストレッチ(複数の筋肉が集まる股関節周りを効果的に伸ばします)


(1)四つんばいの姿勢から左右の肘をついて、やや前方に置きます

(2)両膝を左右に大きく開き、腰を落とします

(3)自然な呼吸を続けながら、ゆっくりお尻を踵の方向へ動かし、また元の位置まで戻していきます

(4)太ももの内側や股関節周辺が柔らかくほぐれていくのを感じながら、30秒程度、丁寧に動きを続けます


・股関節外旋筋群のストレッチ(お尻の側面や奥側にある梨状筋などの外旋筋群を中心に、日常生活で固まってしまった股関節の筋肉を無理なくほぐします)


(1)床に座って両手を斜め後ろに置き、足を左右に開いて両膝を曲げます

(2)軽く背すじを伸ばし、息を吐きながら、左膝を内側に倒し、床に近づけていきます。3秒ほどキープします

(3)左膝を元の位置に戻しながら、同時に右膝を内側に倒し、床に近づけていきます

(4)左右交互に、合わせて10回ほど繰り返します。

 筋力トレーニングは何歳から始めても効果はあります。大事なのは、最初は少ない回数でも良いので、毎日行うことです。


股関節内転筋群の筋トレ


(1)足を伸ばして床に座ります。両足の間隔は握りこぶし一つ分程度開けておきます。 

(2)両足の間隔を保ちつつ、両膝を直角に曲げます。

(3)両膝の間に厚めのバスタオルを丸めたものを挟みます。

(4)息を吐きながら、タオルを押しつぶすように力を入れて挟みます。3秒間挟んだら、3秒間休みます。


股関節外転筋群の筋トレ


(1)床に横向きになり、下側の足を少し曲げて体を安定させます。上側の足は真っすぐに伸ばし、肩と膝が一直線になるような姿勢をつくります。 

(2)上側の足を3秒で持ち上げます。つま先は常に正面を向いたままにしておきましょう。

(3)上がるところまでしっかり上げたら、3秒かけてゆっくり下ろし、下ろしきる直前で止めます。

 ※股関節内転筋群・外転筋群の筋トレは、どちらも10回ずつバランスよく行うのが目安です。

 

 そのほかもっと簡単なストレッチ、筋トレとして、肩幅より少し広いくらいに脚を広げて立ち、骨盤に両手を添え、ゆっくりと大きく回す「骨盤回し」、横向きに寝て脇腹を床に付け、膝を曲げずに上側の脚をゆっくり上げ下げする「サイドキック」もお勧めです。


 骨盤回しは、左右20回ずつ1日3セットが目安。股関節の安定性を保ち、股関節の可動域を広げる効果も期待できます。サイドキックはお尻の横にある、股関節を支える中臀筋を鍛えるトレーニング。横になった姿勢ででき、股関節に体重の負荷がかかりません。左右10回ずつ1日3セットが目安です。


 最後に、日常生活の中で、股関節を守るためのポイントをいくつか紹介します。今はまだ股関節にトラブルを抱えていない人も、できるだけ股関節に負担をかけない姿勢や動作を知り、体で覚えることで、股関節を健やかに保つことができます。


 なるべく「床にしゃがむ」「急に立ち上がる」という動作を避けることです。生活スタイルは和式より洋式が望ましいです。例えば、布団の上げ下げは股関節への負担が大きいので避けたいところ。また座るときは、高さのあるいすを選び、浅く腰掛けてください。低いいすや深く腰掛けたところから立ち上がる場合は、肘掛けやテーブルに手をかけ、腕の力も使って立ち上がるようにしてください。階段を上り下りする際は手すりを使う。早歩きをしない。これらの負荷軽減につながります。床や地面など、低い位置にあるものを持ち上げる時は、腰を曲げる前屈動作を避けること。腰を曲げずに、しっかりと膝と股関節を曲げて、ものを持ち上げることで負担は軽減されます。

 

 今回は股関節を痛めないために、また痛めてしまったり股関節の病気になってしまったら悪化させないために自身でできることをまとめてみました。股関節について何か気になることがありましたら、気軽に整形外科医にお尋ねください。

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