女性ホルモンの減少と指の関節痛について‥
- terashimaorthopedic
- 2 日前
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40 代以降になると女性ホルモンの『エストロゲン』の分泌量が徐々に減少していきます。エストロゲンは腱や関節を動かす潤滑油のような役割を担っており、エストロゲンが減少することで手や指の症状が起こりやすくなります。
特に閉経を迎える 50 才前後はエストロゲンの分泌量が急激に減少するため【へバーデン結節】 【ブシャール結節】 【ばね指】を発症する女性が急増する傾向にあります。
【へバーデン結節・ブシャール結節】
へバーデン結節は指の第一関節(DIP 関節)・ブシャール結節は指の第二関節(PIP 関節)の軟骨が摩耗することで、変形・腫れ・屈曲などが起こる病気です。
水ぶくれのようなふくらみを持つ粘液のう腫(ミューカスシスト)の症状が現れることもあります。似たような症状で間違えられやすいのが関節リウマチです。
関節リウマチは自己免疫の異常により関節の中の滑液を自分自身の免疫で攻撃してしまい関節のこわばり、痛みや腫れなどがおこる病気です。また、関節リウマチは全身の関節に痛みや腫れの症状が現れます。
【ばね指】
手をよく使う人に多くみられる指の腱鞘炎のことです。
曲げた指を伸ばそうとすると指がカクンとはねあがり(ばね現象)指の曲げ伸ばしがスムーズにいかなくなる病気です。
初期のうちは軽い痛みや違和感だけで安静にしていると回復することが多いです。しかし、進行すると痛みが強くなりばね指現象が現れるようになります。
【母指 CM 関節症】
親指の付け根にある関節のかみ合わせが悪くなり、痛みや動きの制限が起こります。ビンなどの蓋を開ける、コップをつまんで持つなど親指の付け根に力が加わると痛みが現れます。
主な原因は使いすぎによって軟骨がすり減ることにあります。軟骨のすり減りは加齢によっても進みます。CM 関節のすき間が骨棘(余分な骨が生える)などで狭くなり動かすと引っかかるような音がする事もあります。
【治療法】
薬物療法(湿布や痛み止めの内服薬)、テーピングやサポーターによる保存的治療が主ですが、症状改善のない場合には外科的治療になることもあります。
へバーデン結節、ブシャール結節、母指 CM 関節症には関節内に、ばね指には肥厚している部分にステロイド注射をすることもあります。
【サプリメント‥】
最近ネットでも話題のエクオール(大豆に含まれるイソフラボンから腸内細菌の働きによって作られる物質:エクオール自体は植物由来ですが、人の体内で女性ホルモンのエストロゲンに似た作用を示すとされている)は、更年期による不快症状の緩和、骨粗しょう症予防など様々な効果が期待できる成分として注目されています。
★近年の基礎研究や臨床研究の報告から現時点でいえること‥
へバーテン結節・ブシャール結節の
痛みや腫れの軽減は期待できそう ですが、
変形した関節が元に戻るわけではない! と理解しておく必要があると思います。
長期服用によるリスクも少ないので、痛みで困っている方は試してみる価値はあると思います(ただし、効果の程度には個人差があります)。
もしお悩みの場合は、一度整形外科受診することをお勧め致します。
