
皆さんは、夜中やふとした時に足をつったことはあるでしょうか。
足のつりは生活の中で急に起き、痛みや違和感を生じさせます。今回はその足のつりへの対処や予防法を紹介させていただきたいと思います。
まず、足のつりとは医学的に言うと「有痛性筋痙攣」と呼ばれています。
これは筋繊維の束である筋肉が過度な収縮を起こし、痛みを伴う痙攣が生じてしまう状態のことを言います。もう少し細かく言うと、普段柔軟に収縮と弛緩を行っている筋肉が何らかの要素によってそのバランスを崩してしまい、その状態で急に動いてしまうことで筋肉が動作についていけずに足をつってしまうことを言います。このバランスを崩してしまう要素は様々ありますが、一般的に下記のようなものが挙げられています。
【筋のバランスを崩す要素】
・汗をかくことによる体内の水分不足やミネラル不足
・加齢や疲労
・慢性的な運動不足
・各部位の冷え
・精神的、肉体的ストレス など
これらが一般的に足がつりやすくなる要素であると言われています。しかし、現在の研究においても詳細な結果が得られているものが多くなく、あくまでも可能性として挙げられているだけであるため、実際は発症した方の状態を確認し個別で対策をしなくてはならないと考えられています。ただ、上記の要素に対して予防を行うことが決して無意味なものではなく、発生リスクを軽減できる可能性も考えられるため、気になる方は取り組んでみてもいいと考えています。
では、具体的にどのような対策が必要であるかですが、自宅でできるものを挙げていきますので自身の生活像を思い浮かべていただき、下記から当てはまるものを試してみてください。
・水分不足やミネラル不足
麦茶やスポーツドリンクなどでこまめに水分補給をすることや、ミネラルを多く
含む豆類や肉・魚類をバランス良く摂取する。
・慢性的な運動不足
定期的な散歩や自宅でのストレッチ、軽めの筋トレを行う。
・各部位の冷え
風呂や貼るカイロ、ブランケットを使用するなどで温める。
【具体的なストレッチ】
〇ふくらはぎのストレッチ
・壁の方を向き、両手を壁に伸ばす
・脚を前後に開き、後ろ脚の踵が地面から離れないように前の膝を曲げる
・10~20秒ほどふくらはぎが伸びるように保つ
※上半身は前にお辞儀をしないようにまっすぐ行う
〇太もも裏のストレッチ
・平らなところで両脚をまっすぐ伸ばす
・両手を前に伸ばし、つま先に向けて前にお辞儀する
・10~20秒ほど太ももの裏が伸びるように保つ
※つま先をまっすぐ立て、猫背にならないよう股関節から曲げるように意識する
これからの季節は寒さが厳しくなり、まさに足をつりやすい時期になっていきます。今回の記事の情報を少しでも活用していただき、快適な生活を送っていただければと思います。もし、何か不安や疑問があれば、当院リハビリスタッフまでお問い合わせください。
【参考文献】
・大野政人,野坂和則.筋疲労および脱水が運動誘発性筋痙攣に及ぼす影響(2004)
・赤羽根良和.痛みの理学療法シリーズ 足部・足関節痛のリハビリテーション(2020)
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