top of page
検索

転倒に伴う手首の骨折

 今回は当院の骨折症例でも多い、転倒に伴う手首の骨折について紹介します。


 コーレス骨折(Colles' fracture)とスミス骨折(Smith's fracture)は、手首の骨折の一種です。これらの骨折は、手首の骨である橈骨と尺骨に影響を及ぼすものであり、それぞれ特定の方向に骨が破損することを指します。以下にそれぞれの骨折について説明します。


■コーレス骨折

 コーレス骨折は、橈骨が手首の背側に転位する骨折です。この骨折は、手を前方に突き出した状態で手首を伸ばして転倒した際によく見られます。この結果、手首が背屈されて橈骨が外側に突き出し、骨折が発生します。一般的には手首の遠位端(手から離れた部分)で破損が見られます。当院でも冬によくみられる骨折症例です。


主な症状には、手首の腫れ、痛み、変形が含まれます。治療は、手首を固定するためにギプスやスリングを使用することがあります。場合によっては手術が必要なこともあります。


スミス骨折

 スミス骨折は、橈骨が手の平側に転位する骨折です。これは自転車やバイクに乗って転倒した際に発生することが多いです。手首が屈曲されることで、橈骨が内側に移動して骨折が発生します。


 スミス骨折も主に手首の遠位端で発生し、腫れ、痛み、変形などが症状として現れます。治療は、ギプスやスリングを使用して手首を固定することで行われます。場合によっては手術が必要なこともあります。


 これらの骨折は、急性外傷や転倒などが原因で発生することが多いです。症状が現れた場合は、早めに医師の診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。


■レントゲンでは分からないが、MRI で分かる骨挫傷

 

 コーレス骨折やスミス骨折はレントゲンで明らかですが、レントゲンだけでは分からない骨折の前段階である骨挫傷(骨の内出血)というものもあります。骨挫傷はMRIだと分かりやすく、転倒後に頻繁にみられる症例です。


以下のレントゲンと MRI の画像をご覧ください。



              図1:左手関節レントゲン 



              図2:左手関節 MRI(STIR)


 図 1 のレントゲン画像では明らかな骨折は認められませんが、

 図 2 の MRI 画像(STIR:正常な骨は黒く、異常な骨は白く見える撮影法)では、レントゲンでは見られなかった異常像が描出されています。  このように他院でレントゲンを撮影して異常なしと言われても、実は骨挫傷していたということもあるのです。当院では当日でも MRI を撮影出来るので、お困りの方は一度ご来院ください。

最新記事

すべて表示
bottom of page