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スマホ首、貴方は大丈夫ですか?

 

 スマホ首とはストレートネックと呼ばれる、頸椎の生理的湾曲が減少した状態の通称として使われています。現代はスマートフォンの普及やデスクワークの増加など下を向く機会が増え、頸椎への負担が相対的に増えています。その為本来は頸椎の負担を減らすための湾曲が減少し、頚部や肩関節などにかけて痛みや痺れを主訴とする訴えが増加傾向にあります。


 具体的な介入方法を決定するためには、病院で各種検査を行い原因が明確となった時点で治療を開始します。頚部から手関節までの痛みや痺れ、重だるさを主訴として来院し、ストレートネックに当てはまる方は少なくありません。


 比較的軽度の場合が多く保存的治療で改善する場合もありますが、重症の場合は手術が必要となる場合もあります。このような方は医療機関を受診するまでの期間が長く、様々な二次的障害が生じている場合が多い傾向にあります。悪循環が病態を複雑化させて症状改善に長期間を必要とする、または手術が適応となる場合が多いです。そのため早期から治療的な介入を開始することが重要になります。


 頸椎の症状が軽度の場合は保存的治療として安静、薬物療法、理学療法(リハビリ)が行われます。安静といっても単に頸椎に負担をかける動作や仕事などを避けるだけのものから、頸椎装具(主として頸椎カラー)を着用する場合もあります。手で重い物を持ち上げる動作は筋肉を介して頸椎に圧迫を加えるためできる限り避けましょう。

 

 薬物療法では消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、末梢循環改善薬などが主に選択されています。

 

 理学療法は牽引治療、電気治療、生活指導、マッサージ等の治療が使用されます。出来る限り早期の受診、毎日のセルフケアを行うことを受診された方には伝えています。


 今回は頚部痛の慢性化予防や筋力強化に有効なセルフケアをご紹介します。


●頭頸部の筋力トレーニング(立位姿勢)

 ①壁に背中をつけた姿勢であごを引き正面を見るようにします。背筋を伸ばし頭の位置と 

  肩の位置をそろえます。

 ②頭の後ろ全体で壁を押し付けるように力を入れます。このとき、首の前側や胸周りに力

  が入らないように手で触って確認します。また上下の歯は接触しないように口を閉じて

  行います。

 ③上記②を10秒間10回行います。1日2~3セットを目安にすると効果的です。


●頭頸部周囲筋の緊張を和らげる運動(立位姿勢)

 ①壁に背中をつけた姿勢であごを引き正面を見るようにします。背筋を伸ばし頭の位置と

  肩の位置をそろえます。

 ②上下左右にゆっくりとリラックスした状態で首を動かします。痛みが出ない範囲で小さ

  く動かし、慣れてきた段階で徐々に大きくゆっくり動かしていきます。

 ③上記②を10回ずつ行います。1日2~3セットを目安にすると効果的です。


 回数やセット数は自分の状態に合わせ増減させて調整してください。運動は痛みがない程度に無理せず行うことが大切です。違和感や痛みが強い場合などは早めの受診をお勧めします。


引用文献

 ここがポイント!整形外科疾患の理学療法 改訂第2版 

 協同医書出版社 理学療法ハンドブック第三巻




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